映画『ロストックの長い夜』(2014年)のザックリとしたあらすじと見どころ

ヒューマンドラマ

映画タイトル:ロストックの長い夜

原題:Wir sind jung. Wir sind stark.

製作年:2014年 ドイツ

監督:ブルハン・クルバニ

映画『ロストックの長い夜』は、

1992年、統一後のドイツ、ロストックで実際に起こった難民襲撃事件を描いた映画です。
不況の旧東ドイツで社会への鬱憤を抱える若者たち。その怒りの矛先はアジア系難民に向けられていきます。排外主義が生み出す悲劇とはー。

キャスト

・ヨナス・ナイ(ステファン)
主人公

・トラン・ル・ホン(リエン)
ベトナム難民

・デーヴィト・シュトリーゾフ(マルティン)
ステファンの父

・ジョエル・バズマン(ロビー)
ステファンの友人

映画『ロストックの長い夜』の見どころと感想

(*ちょっとネタバレありです)

1992年8月、ドイツ、ロストックの難民センターで、増え続ける難民の野営に対し大規模な抗議デモが発生。

ステファンは仲間たちと一緒に警察といざこざを起こしたり、ワゴン車でぶらついたりという無為な日々を過ごしています。そんなある日、仲間の1人フィリップがマンションの9階から飛び降り自殺。遺品のジャンバーを受け取ったステファンの心に大きな暗い傷を残します。

ベトナム難民リエンは出産を控えた兄夫婦らと難民センターで暮らしています。滞在許可を得て仕事に就いているリエンですが、ドイツ人からのいわれなき差別に苦しめられています。

ステファンの父で政府の役人であるマルティンは、難民センターを閉鎖することを発表。
難民センターの前に集まる暴徒化したドイツ人たち。警官隊との衝突をTVで見ていたマルティンは、息子ステファンがこの暴動に加わっていないことを願い現地に向かいます。がー。


不況の原因が難民や移民にあると主張し排除しようとする。こうした排外主義や排斥感情は今なおさまざまな国や社会のなかに見られます。

この映画で描かれている若者には「自国を守る」というイデオロギーは感じられません。ただうまくいかない人生を誰かのせいにせずにはいられない、いわゆるノンポリなのです。

が、仲間の自死、政治家の父の他人事感、そして思うようにいかない恋愛が「右でも左でもない普通の」青年ステファンたちを暴徒にしていきます。鬱屈と怒りの矛先を向けられたのはベトナム難民。容姿に対する侮蔑を含め、コロナ禍で苛烈化しているアジア人差別を思わせます。

普通の青年ステファンを演じるのはヨナス・ナイ。ドラマ『ドイツ1983年』(Amazonプライムで配信中)同様、悩める青年っぷり。その友だちの痛ましいバカ、ロビーをリアルに演じたジョエル・バズマンもイイ。必見です。

モノクロの映像が事件のシーンから色を帯びていく演出も効果的。

映画『ロストックの長い夜』はNetflixで配信中です。

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