子供を産むか産まないかは、女性にとって大きな問題なのか?

子供 産まない コラム
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初対面の人やそれほど親しくない人に「お子さんは?」と聞かれることがあります。そのたびに「あ、子供いないんですよ」とサラッと答えるのですが、先日、久しぶりに時代錯誤な一言が返ってきました。

「あら、どうして?もったいない」

ん?もったいない? こっちが「あら?」ですよ。

「子供を産むか産まないか」は、女性の人生における大きな選択といわれます。が、私は確固たる意志をもって「子供を産みません!」「子供のいない人生を送ります」と決めたわけではありません。「多分、子供産まないだろうなー」のままこの歳になった、というしだいです。

そんな私は、政治家たちの問題発言や「産まない自由」がメディアでセンセーショナルに取り上げられるたびに「子供を産むか産まないか」はそれほど大きな問題なんだろうかと思います。

もうすぐ生物学的に産めなくなる身でナンですが、「子供を産むか産まないか」は結論を出さないといけない問題なのでしょうか。

少子化とか、環境問題とか、日本経済とか、じゃなくて、女の人生としてー。

子供が苦手。 私が「子供を産まない」理由

「私は子供がキライ」というと、さすがにイメージが悪すぎるので「子供が苦手」ということにしています。子供を産まない理由も多分そこにあると思っています。

大騒ぎしていたかと思えば、急に人見知りをして泣き出すし、ジーっと見てくるので勇気を振り絞って微笑んだのに無視するし、この微笑みをどうすりゃいいのさ。私にも世間体っちゅーもんがあるんだよ。わかる?赤ちゃんよ。

私は子供がキライ、いや、苦手です。俳優、伊武雅刀 による「私は子供がキライだ」の歌い出しの懐かしい1曲『子供達を責めないで』。「なぜ子供がキライか」を伊武は重厚感のある声で延々と歌い上げます。

歌詞にそうそう! 思ってしまいますが、実はこの曲の真意は「子供がキライ」ではなく、「そう歌っているアンタも昔は子供だったんでしょ」というパラドックスにあるそうな。そのことを忘れて、子供にあーだこーだ文句言うなんてカッコ悪いよ、と。

この歌が流行った1983年当時に比べると、現代は少子化が進み子供が大事に育てられる社会になっています。しかし「子供が大事」「子供のために」と声高に言う今のほうが、ますます子供が生きづらくなっているのだから、そんな社会を作っている大人はもっとカッコ悪いのかもしれません。

「子供を産むか、産まないか」は結論を出さないとどうなる?

私は「子供が苦手」以外にはこれといった理由もなく「産む、産まない」を保留にしてきました。

幸いなことに夫婦双方の両親を含め身近に「子供はまだ?」とうるさく聞いてくる人はいませんでしたが、ときには「子供は苦手なんですよねー」というと「自分の子供は違うわよ」という、もっともらしい(?)ご意見をいただくことも。でも、それで「じゃ、産むわ」ともなりません。妊活に励む女性たちを見るたびに、積極的に「産みたい」と思わない自分はどこか欠陥があるんじゃないだろうか、とちょっとだけ悩んだりもしました。

そんなとき、ある出来事が!

愛犬(当時7歳・生娘)が、拾ってきた仔猫に「お乳らしきなにか」を与えはじめたのです。その衝撃の光景を見て、「これが本能か!」「これが母性か!」と思い知りました。もしここで占いとかスピリチュアルな方向に答えを求めたら案外厄介なことになっていたかもしれませんが、とにかく「無理に結論を出すことでもない」と。

そうこうしているうちに、「産めるリミット」がやってきます。生物学的には「産める」としても、育てていく生活力や体力を考えると、30代後半がそのリミットだったと思います。が、この時点でも「子供は産まない」と決めたわけではなく、「じゃ、産まないってことで」くらいの気持ちだったのです。

そんなあいまいな私を刺激するかのように、政治家たちは、女性が子供を産むことに対するトンデモ発言を連発します。

「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」
「皆が幸せになるためには子どもをたくさん産んで、国も栄えていく」(by二階俊博 当時自民党幹事長)

とか、

「結婚しなければ子供が生まれない。人様の子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる」( by加藤寛治 当時衆院議員)

とか。

これらの戯言にはモヤっとしますが、怒りを覚えることもなければ、当然ながら「産むわ!」となることもありません。子供を産むか産まないかは、他人が、ましてや政治家がどうこう言う問題じゃない。

私は「子供を産むか産まないか」の結論を保留にしてきましたが、結果的に「産まなかったこと」をまったく後悔していません。そして「産まなかったこと」に責任をもって生きていこうと思っています。

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