映画タイトル:思いやりのススメ
原題:The Fundamentals of Caring
製作年:2016年 アメリカ
監督:ロブ・バーネット
映画『思いやりのススメ』は、
心に傷を負う介護士の男性と、難病の少年が織りなすロードムービーです。
旅によって2人が得たものは、生きる希望とかけがえのない友情ー、という王道ストーリーがほどよく心に染みる映画です。
キャスト
・ポール・ラッド(ベン)
辛い過去を持つ男性 トレヴァーの介護士となる
・クレイグ・ロバーツ(トレヴァー)
筋ジストロフィーのため車いす生活を送る少年
・セレーナ・ゴメス(ドット)
旅の途中で知り合う少女 家出中?
・ジェニファー・イーリー(エルサ)
旅の途中で知り合う女性 妊娠中
映画『思いやりのススメ』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)
Netflix
不注意で幼い息子を死なせてしまったことから生きる希望を失ったベン。作家としても書けなくなり廃業。妻と関係も修復不可能な状態のなか、なんとか再出発したいと就いた仕事はトレヴァーの介護でした。
トレヴァーは筋ジストロフィーを患い、排泄や移動に介助が必要な状況で引きこもりがち。父親に捨てられ、母親と2人の生活の中で楽しみはTVとネットだけ。将来の希望もなく心はひねくれています。
新米介護士のベンを試すような行動を繰り返すトレヴァーに対し「外の世界を見ることが必要」と、ベンはドライブ旅行を提案します。
テレビで見た風景「世界一大きな穴」を見ること、幼い頃に自分を捨てた父親に会うこと、そして ”立ちション” をすること。これらトレヴァーの希望を叶えるための2人の旅。その2人の旅に加わるのは、セレーナ・ゴメス演じる口の悪いわけあり娘。
トレヴァーが父親に捨てられたことや、ベンが息子を死なせてしまったことなど、悲しい過去が明らかになりながら、旅が2人に変化をもたらしていきます。病気のために人生をあきらめていたトレヴァーは、ベンに対する信頼やドットへの初恋を知り成長していきます。
一方、トレヴァーも、誰かを助けることで自分が救われると思っていたことに気づかされます。
評)何かを言い訳にしてためらう背中を押してくれる1本
”傷ついた人の心が、旅によって再生していく” ありがちな設定ではありますが、このストレートなメッセージが心にしみるんです。
と言っても、”心の傷”をことさら語りすぎることもなく、難病、死別、離婚、というツラい出来事を描きながらも、けしてお涙頂戴にしない演出もいい。97分という長さもちょうどいいんですよ。
何かを言い訳にして、1歩踏み出すことをためらってしまっているー。
そんなときに、やさしく背中を押してくれる作品です。