映画タイトル:ディザスター・アーチスト
原題:The Disaster Artist
製作年:2017年 アメリカ
監督:ジェームズ・フランコ
映画『ディザスター・アーチスト』は、
”史上最低の駄作”としてカルト的な人気を博すことになった映画『The Room』の誕生秘話を描いた作品です。
共同制作・監督・主演のジェームズ・フランコの映画愛(!?)が凝縮された異色コメディです。
キャスト
・ジェームズ・フランコ(トミー・ウィソー)
映画『The Room』の脚本・監督・製作・製作総指揮・主演(ジョニー役)
年齢・出身など謎の多い男
・デイヴ・フランコ(グレッグ・セステロ)
若手俳優 ウィソーとともに映画『The Room』を製作 プロデューサー
・セス・ローゲン(サンディ・シュクレア)
映画脚本の監修
・ザック・エフロン(ダン・ジャンジギアン)
役者(ドラッグの売人役)
・アリー・グレイナー(ジュリエット・ダニエル)
女優(映画『The Room』のヒロイン・リサ役)
映画『ディザスター・アーチスト』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)
(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
1998年、俳優を目指し演劇学校に通うグレッグは、型破りの風貌をした男性トミー・ウィソーと知り合います。トミーの演技に対する情熱に惹かれたグレッグは、成功を夢見てトミーとともにハリウッドへ移り住むことに。
が、どう見てもオッサンなのにグレッグと同い年(19歳)と言い張ったり、北欧訛りのアクセントがあって出身地も怪しいトミー。なぜかお金はたんまり持っているようですが、自分自身について多くを語ろうとはしません。
ハリウッドでも仕事にありつけない2人は自分たちの手で映画を作ることを決意。トミーは一気に脚本を書きあげます。撮影機材を買い上げ、スタッフ、キャストをオーディションし、映画『The Room』の撮影に取り掛かります。が、現場はトラブル続き。
お金はあるし映画製作へのエネルギーはすごいものの、いかんせん演技についてはまったくの素人のトミー。他のスタッフとも全く噛み合いません。脚本も演技プランも支離滅裂で、トミー自身は簡単なセリフすら覚えられないありさま。人の意見は聞かないし、撮影現場の至る所に監視カメラを仕掛け、自分に批判的なスタッフをクビにするというトミーの独善ぶりに嫌気がさし現場を去っていくスタッフも出てきます。
さらにグレッグに恋人ができたあたりから2人の関係もギクシャクし始めー。
評)『The Room』を映画愛で完全再現したジェームズ・フランコの変態っぷりに喝采
トミーの偏狂っぷりがたまらない映画ですが、見どころはそんなトミーを支える人々の存在です。
トミーが自分自身のすべてをかけて作り上げた映画は案の定散々な出来で、コメディではないのに上映途中から大爆笑に包まれます。ショックを受けるトミーに「みんなこの映画が好きでウケているんだよ」と声をかけるグレッグ。
この映画を手掛けたジェームズ・フランコもグレッグと同じように、映画『The Room』と、こんな映画を撮ったトミーが好きでたまらないでのしょう。
「さすがにデフォルメし過ぎじゃないの?」と思ってしまうジェームズのトミーですが、ラストに収められた映画『The Room』との比較シーンを見ると、これが完コピだとわかりビックリ!
ホントにこんな人(トミー)がいるんだ、ホントにこんな映画(『The Room』)があるんだと驚かされ、それを忠実に再現し、自己表現は嘲笑の対象ではないことを証明して見せたジェームズ・フランコの変態っぷりに喝采を送りたくなる。
そんな映画です。
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