映画タイトル:スーパーノヴァ
原題:Supernova
製作年:2020年 イギリス
監督:ハリー・マックイーン
映画『スーパーノヴァ』は、
20年来のゲイカップルに訪れる人生の終焉を描くヒューマンドラマです。
ある決断を秘めた作家と葛藤するピアニスト。愛することはこんなにもせつなくて美しいものか。星空を見るたびに思い出すだろう1本です。
キャスト
・コリン・ファース(サム)
ピアニスト
・スタンリー・トゥッチ(タスカ-)
作家
・ピッパ・ヘイウッド(リリー)
サムの姉
・ ピーター・マックイーン (クライブ)
リリーの夫
映画『スーパーノヴァ』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)

ピアニストのサムは20年来のパートナーのタスカーとともにキャンピングカーで旅に出ます。
タスカーには軽い認知症があり、かつての作家としての仕事もままならくなっています。
サムの故郷を訪ね、姉リリーの家族ほか旧知の人々とともに食卓を囲む2人。その夜タスカーはリリーの子どもとともに夜空を見上げ、自分の運命をスーパーノヴァ(超新星)に準えます。
一方サムは、タスカーが隠していたノートと決意を遂げるための薬、そして1本の録音テープを見つけます。
やがて旅を終え郊外の新居に暮らし始めた2人。自身のコンサートを明日に控えたサムはタスカーの目の前でテープを再生します。
テープの内容は遺書。サムへの愛情と苦労をかけたくないという思いから自殺を決意しているという内容でした。
評)示唆的表現で描くせつなくて美しい愛の輝き
愛する人のことを忘れてしまうー、認知症の残酷な一面です。
同じテーマで描かれた映画は他にもたくさんありますが、せつなさで言えばこの映画は最上級ではないでしょうか。
この映画では同性愛という関係はことさら強調されていません。が、それは多様性に対し寛容になりつつある今を反映しているのではなく、古典的な価値観の強いイギリス(車中の会話にサッチャー批判あり)社会の中で、むしろ秘めなければならなかった苦悩の表れのように感じました。
そんなタスカーはスーパーノヴァに自分を準えます。秘めていた思いが爆発して光り輝く。その光は自分の死後もきっとサムを照らすー。
どんだけロマンチックやねん!
とにかく示唆的な表現の多い映画なので、あーではないか、こーではないか、と想像が膨らむし、タスカーの決断に是非なんてつけられないし、でも残されるほうはツラすぎるし。
そんな想像を掻き立てるのは、ほかでもないこの名優2人です。
スタイリッシュに決めていないラフなコリン・ファースが泣けるほどイイんです!対するスタンリー・トゥッチはもはや神です。
愛するということはこんなにもせつなくて美しい。ゲイだとか中年だとか、そんなことは関係ない。そんなベタな感想でナンですが、おすすめの映画『スーパーノヴァ』 ぜひ。
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