2023年2月20日
NHKの「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」がめちゃオモシロい。
昨年放送開始のアメリカ編に続き、ヨーロッパ編が放送中。
1960年代から現在までの映画をはじめとしたサブカルを社会背景とともに読み解いていく。
これを見ていると、戦後の世界の大きなうねりがわかる。
60年代の革命思想や70年代のスピリチュアルへの傾倒、華やかな80年代ー。
映画がそれをどう描いてきたかの解説(ブルース・シュルマン氏、ほか)はとても興味深い。
70年代の空前のオカルトブームも社会不安から逃れるためのものだったという。当時は子供だったので”社会不安”なんて自覚はなかったけれど、『エクソシスト』(1973年/昨年ようやく見ました。こちらのレビューで触れてます)や『サスペリア』(1977年/未視聴です)がめちゃくちゃ流行ったのは覚えている。
スペインのホラー映画『ザ・チャイルド』も見たい。

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というわけで、『ゴッドファーザー』(1972年)と『ーPART2』(1974年)を再鑑賞。
説明不要の傑作マフィア映画。が、世界サブカルチャー史では、「マフィア社会の特殊な話と思って見ると大事なことが見えてこない」というようなことを言っていた。
今見ると、権威主義、排他性、マッチョでホモソな世界の危うさが際立つ。が、やっぱりだんだん悪い顔になっていくアル・パチーノや若い頃のロバート・デ・ニーロのカッコ良さに惚れ惚れ。「マフィア社会の特殊な話と思ってはいけない」という忠言をすっかり忘れてのめり込み、”滅びの美学”とか”男の美学”とか思ってしまう。ま、映画だからいいけれど。
マフィアという裏社会に限ったことではなく、どのご家庭にもご家族にもある「負の部分」をえぐり出した映画なのだと実感。
それにしても長かった。『ーPART2』は3時間22分。先代の過去と自身の今を交錯させる構成は見どころのひとつなので許容範囲ではあるけれど。
で、途中でINTERMISSONが入る。そうそう! 昔の長い映画はこれがあった。
『ドクトル・ジバゴ』(197分)も『レッズ』(194分)も『ルードヴィヒ』(237分)も。
もともとは映画館でのリール交換のための休憩として制作者側で入れられたものだが、デジタル化によってこれも見られなくなった。さらに、長いものはもとから2部作にするという興行収入的名案がー。
最近は普通に2時間を超える映画も多いけれど、休憩なしはしんどい。
ま、自宅鑑賞派としては自由に”一時停止”できるのでなんの影響はないけれど、なんか、いいんですよ、懐かしのINTERMISSON。