映画タイトル:セリーナ 炎の女
原題:SERENA
製作年:2014年 チェコ・フランス・アメリカ
監督:スサンネ・ビア
◆映画『セリーナ 炎の女』は、
20世紀初頭のアメリカ南東部を舞台に繰り広げられる夫婦の愛想劇です。
共演の多いブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス。(『世界にひとつのプレイブック』(2012年)『アメリカン・ハッスル』(2013年)『JOY』(2015年))
本作ではドロドロに揉めております。
◆キャスト
・ブラッドリー・クーパー(ジョージ・ペンバートン)
製材所の経営者
・ジェニファー・ローレンス(セリーナ・ペンバートン)
ジョージの妻
・リス・エヴァンス(ギャロウェイ)
ジョージの製材所で働く猟師 前科者
・デヴィッド・デンシック(ブキャナン)
ジョージの補佐役
◆映画『セリーナ 炎の女』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)
-Magnolia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ
1920年代、アメリカ・ノースカロライナ州の山脈地。
この地で製材所を経営するジョージは、幼少期に火事で家族を失った天涯孤独の美女セリーナに一目ぼれー、二人は結婚します。
しかし、ジョージの製材所の一帯は国立公園にする話が持ち上がり売却を迫られている状況。
なのに、ジョージといったら食事係の若い女性に手を出したり、山に棲む猛獣クーガーを追いかけたり。
一方セリーナは、先住民としての知識を生かし伐採現場で指揮をとり、経営に口を挟むようになります。
そんなセリーナに対し疎ましさを感じていた補佐役ブキャナンは、製材所を売却するため保安官と接触。
ブキャナンの裏切りを知ったジョージは、狩りを装ってブキャナンを射殺します。
ジョージは故意に撃ち殺したことをセリーナに告げますが、セリーナは「ブキャナンが悪いこと」とジョージを庇うのです。
こうしてナンダカンダあっても夫婦仲は円満に見えた二人ですが、あることを機に一変します。
子どもを産んだ食事係の女性が仕事に復職することになり、これがジョージが手を出した女であるとピンと来るセリーナ。
そのセリーナも妊娠するのですが、現場で大怪我を負ったギャロウェイの処置に奔走し、これがもとで流産してしまいます。
セリーナは嫉妬に狂うようになり、その矛先はジョージと食事係の女性の間にできた赤ちゃんにー。
セリーナに忠義を尽くそうとするギャロウェイを利用し、親子を襲うセリーナ。
これを守ろうとするジョージ。
この夫婦の争いはー。
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途中まではセリーナが活躍して製材所を切り盛りする話かな、なんて思いながら見ていたワケですよ。ジョージの浮気も、ま、よかろう、と。
が、セリーナは流産を機に一気に悪妻になるし、ギャロウェイもいらんこと加わるし。
ははん、これはホラーだな。セリーナが復讐の狂気に憑りつかれて、鷹とか蛇を使って、メラゾーマとか繰り出したりなんかしてー、と思ったワケですよ。もう途中から興味失ってるワケですよ、私も。
が、その期待のジェニファーさんの狂気も ”狂気” っていうほどでもない。
そもそもジョージがいかん!
自分の奥さんが流産したというのに、よそに作った子にお金を渡そうと準備して、それをまた簡単にセリーナに見つけられてしまうし、アンタそんなんだから側近にも裏切られるしー、
って話です。
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セリーナ自身の火事が原因で孤児になった過去とか、山に棲む猛獣クーガーの存在とか、メタファーがあるんだろうな、ということを感じつつも、これはただの愛想劇。
昼ドラですっ!
ジェニファー・ローレンスとブラッドリー・クーパーが昼ドラをやってみました、という奇跡の1本をどうぞお楽しみください。