風景と非日常を味わう【映画を楽しむための地理~ロードムービー編】

おすすめの映画

「映画を楽しむための地理」として、アメリカ各地を舞台にした映画をピックアップしてみましたが、その途中であることが気になっていました。

ロードムービーはどう扱う?

土地から土地へ旅をする主人公たち。
あるものは自分探しのために、あるものは追っ手から逃れるためにー。
なぜその土地を訪れるのか、そこには何かしらの意味があるのでしょう。
ロードムービーを楽しむためには、その旅のルートを知っていたほうがいいのではー、

 

ということで、映画を楽しむための地理 番外編はロードムービーです。

 

 

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ところでロードムービーとは?

ザックリ説明すると、ロードムービーとは「旅の途中で起こるさまざまな出来事が物語となっている映画」のこと。

道中の風景や、人々との出会いと別れなどを印象的な音楽とともに「旅」そのものがメインにえがかれており、ストーリー自体はまったりとしたものも少なくありません。

 

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ロードムービーの代表作と旅のルート

『イージー・ライダー』(1969年)


-Kobal/COLUMBIA/TheKobalCollection/WireImage.com

ロードムービーの代表といえばこの映画『イージー・ライダー』でしょう。

メキシコから密輸したコカインで一儲けしたワイアット(通称キャプテンアメリカ)とビリーの2人が、あてどもない旅をするストーリー。
麻薬や人種問題、反戦運動など社会問題を抱える当時のアメリカを新しい感覚で描いた、アメリカンニューシネマの代表的映画です。

この2人がどのようなルートをたどったのか、ザックリまとめますと、こうなります

 

①ロサンゼルス コカインを売りさばく
②バラ―ラット  バイクの燃料タンクに金を隠して腕時計を投げ捨てる
③トポック~モニュメントバレー 有名な景色を見ながらバイク旅
④タオス・プエブロ(ニューメキシコ州) ヒッピーのコミューンに立ち寄る
⑤ラスヴェガス(ニューメキシコ州) パレードではしゃぎ警察につかまる
弁護士ハンソン(ジャック・ニコルソン)と合流
⑥モーガンザ(ルイジアナ州)  立ち寄ったカフェで地元民にバカにされる
野宿中に襲われてハンソン死亡
⑦ニューオーリンズ(ルイジアナ州)  娼婦を一緒に謝肉祭でラリる
⑧クロツ・スプリングス(ルイジアナ) 走行中に銃で撃たれて死ぬ

 

当面の目的であった謝肉祭を見た後、自由を求めてフロリダに行こうとする2人。
虚しさがつきまとう「あてのない旅」は、突然の終焉をむかえるのです。

 

『グリーンブック』(2018年)


-Universal Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

1960年代、NYの天才黒人ピアニスト、ドン”ドクター”シャーリーがイタリア系用心棒トニーを雇い、人種差別が残る南部でのコンサートツアーを行うストーリーの『グリーンブック』

行く先々で差別的な扱いを受けるツアーの様子をザックリまとめますと、こうなります。

 

①ニューヨーク ドンの家/トニーの仕事場
②ピッツバーグ(ペンシルバニア州) 最初の演奏地
③ハノーヴァー(インディアナ州)演奏用にボロいピアノが用意されていた
④シーダー・ラビッズ(アイオワ州)
⑤ルイビル(ケンタッキー州)黒人専用の宿に泊まらされるドン
演奏会場では白人用トイレも使わせてもらえない
ドンは生まれて初めてケンタッキー・フライド・チキンを食べる
⑥ローリー(ノースカロライナ州)
⑦メイコン(ジョージア州)紳士服店で服を作らせてもらえないドン
夜間徘徊で警察に拘留されたドンが同性愛者とわかる
⑧メンフィス(テネシー州)
⑨リトルロック(アーカンソー州)
⑩バトンルージュ(ルイジアナ州)
⑪チェーベロ(ミシシッピー州)
⑫ジャクソン(ミシシッピー州)トニーが警官を殴り拘留されるが、ドンがロバート・ケネディに電話し釈放
⑬バーミンガム(アラバマ州)最終公演 汚い控室に案内されるドンはついに演奏を拒否
ニューヨーク 一気に戻る クリスマスに間に合う

演奏には賛辞がおくられるものの、それ以外の場所では黒人として差別を受けるドン。
ドンがあえて南部をまわった理由は「自分は何者なのかを知るため」だったのかもしれません。

 

 

『俺たちに明日はない』(1967年)


-WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

『俺たちに明日はない』は、1930年代、大恐慌のアメリカに実在したカップルの銀行強盗”ボニー&クライド”を描いた映画です。

テキサス州ダラスを中心に逃げ回るも、最後は射殺される2人の悲劇の軌跡です。

 

①テキサスの田舎町 出所直後のクライドとウエイトレスのボニーは出会う
クライドの兄(バック)夫婦ほか仲間を加え、5人で銀行強盗
テキサスレンジャーに追われる
②ミズーリ州   銀行強盗を繰り返しながら潜伏 が、発見される
③ダラス近郊 ボニーの故郷に向かうが母に冷たい言葉で追い払われる
④アイオワ州 潜伏先が発見され銃撃戦に 仲間(バック)死亡、バックの妻逮捕
⑤ルイジアナ州  仲間C・Wの父アイヴァンモスの農場に隠れる
⑥ギブスランド(ルイジアナ州) 一斉射撃により絶命

 

 

 

『テルマ&ルイーズ』(1991年)


-MGM/Photofest/ゲッティイメージズ

犯罪を起こして逃げるパターンのロードムービーをもう1本。『テルマ&ルイーズ』です。
平凡な2人の女性が思わぬ事件を起こし―、というストーリーです。

 

①アーカンソー州 女2人の小旅行 バーで男に襲われ反撃し射殺
車で逃走 メキシコへの逃亡を決意
②オクラホマ・シティ  ルイーズの交際相手からの送金をあてに立ち寄る
道中でヒッチハイクをする若者J.Dと出会う J.Dに金を持ち逃げされる
銀行強盗を襲い金を奪う
③アリゾナ州   警察に追われ、グランドキャニオンの崖から車ごとダイブ

 

男の抑圧から解放され自由な女になるー、晴れやかで悲しい旅の結末です。

 

 

『デューデート』(2011年)


-WarnerBros./Photofest/ゲッティイメージズ

ロードムービーの魅力のひとつは、非日常性です。
あそこで引き返せなかったのか―、と思ううちにむかえる悲劇的なラストがいつまでも心に残ってしまうのです。

が、笑えるロードムービーもあります。

映画『デューデート』は、『ハングオーバーシリーズ』チームによるお下劣なギャグと唖然とする展開のアメリカを横断するロードムービーです。

出産間近の妻が待つロサンジェルス行きの飛行機を待っていたピーターが、財布も荷物も盗まれ飛行機に乗れなくなってしまいます。が、そこに現われたイーサン車にでロスに向かうことを提案され、同行することになりますがー。

 

①アトランタ(ジョージア州)
②ロサンゼルス

 

『サイドウェイ』(2004年)


-MERIEW.WALLACE/FOXSEARCHLIGHTPICTURES/TheKobalCollection/WireImage.com

最後は小規模のロードムービー『サイドウェイ』です。
ワイン好きのバツイチ小説家志望のマイルスが、1週間後に結婚を控えた売れない俳優の友人の独身最後の旅としてカリフォルニアのワイナリーをめぐるというストーリーです。

 

①ロサンゼルス マイルスの自宅
②サンタバーバラ ワイナリーを巡りながら数日滞在 気になる女性マヤと出会う
③ロサンゼルス ジャック(友人)の結婚式
④サンタバーバラ マヤに会いに行く

 

サンタバーバラの美しい景色とワインのウンチクに彩られた旅が、マイルスの背中をグッと押すハートウォーミングなロードムービーです。

 

まとめ

以上、映画を楽しむための地理「ロードムービー編」でした。
ロードムービーで美しい景色と非日常を味わってみませんか。

 

アメリカ北東部編はこちらをどうぞ
アメリカ中西部編はこちらをどうぞ
アメリカ南部編はこちらをどうぞ
アメリカ西部編はこちらをどうぞ

 

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