レコーディング・ダイエットの限界/『戦争は女の顔をしていない』を読む/名盤『こぼれたミルクに泣かないで』

まんざらでもない日記

2021年7月19日

今年3月から食事と間食、飲酒、運動習慣などを見直して7㎏減量した。ダイエット方法はこれといって特別なものではなく、食べ過ぎを控え、油ものを控え、飲酒を控え(禁酒はしていない)、朝晩それぞれ40~50分のウォーキング、といったもの。さすがに夏場は朝も夜も暑くてウォーキングはお休みしているけれど、涼しくなって運動が再開できるまで、なんとか現状維持したいと思う。

で、もうひとつ実践していたことが「食べたものを記録する」、いわゆるレコーディング・ダイエット。以前も痩せようと思うときには食べたものをノートに記録していたが、今はアプリがあって便利。カロリーや栄養素の計算までしてくれるからありがたい。「これぐらいイイか」と思ってしまうダメな自分を戒めることができる、素晴らしきレコーディング・ダイエット。

が、そのレコーディング・ダイエットの提唱者で自身も大幅減量に成功し、それを書籍化した『いつまでもデブと思うなよ』(2007年)が大ベストセラーとなった岡田斗司夫氏が、すっかりリバウンドしているというではないか。しかも結構前にー。

3年ほどキープしていた体重が徐々に戻り始め再びダイエットを始めた岡田氏。が、かつて自身が書いた方法がぜんぜん論理的、科学的でないー、「書きさえしたら食べてもいいの?」 という疑問にぶち当たり、すっかりリバウンドしたのが2014年頃だと。そうか、そうだったのか。(現在の姿はYoutubeで確認できます。お元気そうでなにより)

一部ではレコーディング・ダイエットを「全否定」などと書かれているけれど、否定というよりも「限界」を示した、という方が正しいのかもしれない。

たしかにレコーディング・ダイエットは自分を客観視し戒めとする効果がある。が、戒めが効く期間は限定的。カロリーが不明なものを食べたくなくなったり、記録を偽ってしまったり、「書いたからって何なのよ」という気分になってくるのだ。ここがこのメゾットの限界なのだと岡田氏自身が身をもって証明してくれたのだろう。ありがたい。同じ轍は踏むまい。


『戦争は女の顔をしていない』を読む。
ロシア人作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが女性たちの戦争体験を綴ったノンフィクションで、2015年のノーベル文学賞受賞作品。多くの戦争物が男性の価値観、男性の言葉で書かれてきたことに違和感を持った著者が、500人以上の女性へのインタビューで戦争の真実を描き出している。

毎年この時期(原爆記念日、終戦記念日)になると、戦争の話題が多くなる。「二度と戦争を起こさないため」に違いないこれらの話題のなかに、戦死者を英雄視したり、敗戦を美化、憐憫したりするものがあってモヤモヤしてしまう。

とある戦争資料館に展示されている戦闘機を見た若いレポーターが「わぁ!操縦席って、こんなふうになっているんですねぇ」とワクワクしながらコメントする。「ぜひ、みなさんも一度お越しくださーい」と明るくスタジオに戻す。そして、「二度と戦争を起こさない、今の平和のありがたさをー」と中年の司会者がとってつけたような神妙な一言でコーナーを締めくくる。

そこには戦争への「憎悪」や「恐怖」は感じられない。若いレポーターや中年の司会者だけじゃない。私自身も戦争に対する憎悪や恐怖の思いが薄らいでしまっている。それは、個人的体験とは大きく隔てられた「戦争記」「戦争の歴史」が引き継がれているからではないだろうか。

この本はそこを指摘する。読めば読むほど戦争に対する憎悪がこみあげてくる。どんなに理屈をつけようとも戦争を「是」とする気にはなれない憎悪が生まれる。素晴らしい本だと思う。


がらりと話題が変わります。
ラジオでジェリーフィッシュの「BEY BEY BEY」が流れてきた。懐かしい。1990年代、いわゆるパワーポップというジャンルのアメリカのロックバンド、ジェリーフィッシュ。

「BEY BEY BEY」はデビューアルバムから2年半を経てリリースされたセカンドアルバム『SPILT MILK(邦題:こぼれたミルクに泣かないで)』に収録されている1曲。あらためてアルバムを聴いてみた。

こりゃ名盤よ。そりゃ、ストリングスだのハープだの多くの楽器を入れてやりすぎの感はあるけれど、それもいい。いや、今となってはそこがいい。ご丁寧に各曲、ダッサイ邦題がつけられているのもいい。

セカンドアルバムにしてラストアルバムとなったジェリーフィッシュ。あー懐かしい。1990年代のサブカルや音楽シーンが例の件でザワついている今こそ。

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