「#うちで過ごそう」コロナ禍に家で私が読みたい本

本と読書

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国に向けて緊急事態宣言が出されることになった2020年4月17日現在、すでに対象地域となっていた私の住む街は、書店も図書館も休業しています。

でも大丈夫、蓄えは充分にあります!
コロナで外出できない今こそ、たまりにたまった本を読むのです。

ここからは、私が「これから読もう思う本」をご紹介します。
つまり、まだ読んでいない本を紹介して、自分自身とどこかの誰かの読む気を高めようという試みです。

では、まいりましょう。

 

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『青い眼がほしい』トニ・モリスン

誰よりも青い眼にしてください。と黒人の少女ピコーラは祈った。
そうしたら、みんなが私を愛してくれるかもしれないから。白い肌やブロンドの髪の毛、そして青い眼。美や人間の価値は白人の世界にのみ見出され、そこに属さない黒人には存在意義すら認めない。自らの価値に気づかず、無邪気にあこがれを抱くだけのピコーラに悲劇は起きた――白人が定めた価値観を痛烈に問いただす、ノーベル賞作家の鮮烈なデビュー作。(ハヤカワepi文庫より引用)

 

トニ・モリスンは1931年生まれのアメリカ人作家。1970年に本書でデビューし、1993年にノーベル文学賞を受賞しています。(2018年没)

アフリカ系アメリカ人のモリスンが、自身の故郷であるオハイオ州ロレインを舞台にした本書『青い眼がほしい』は、黒人少女が抱く「肌の色に対する自己嫌悪」を通じて人種差別社会の断ち切れないトラウマを描いた作品です。性的描写や露骨な人種差別もあるというので覚悟して読みたい1作です。

 

 

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『体の贈り物』レベッカ・ブラウン

食べること、歩くこと、泣けることー重い病に侵され、日常生活のささやかながら、大切なことさえ困難になってゆくリック、エド、コニー、カーロスら。私はホームケア・ワーカーとして、彼らの身のまわりを世話している。死は逃れようもなく、目前に迫る。
失われるものと、それと引き換えのようにして残される、かけがえのない十一の贈り物。熱い共感と静謐な感動を呼ぶ連作小説。(新潮文庫より引用)

 

レベッカ・ブラウンは1956年生まれのアメリカ人作家。同性愛者であることを公表し、それを主題とした作品も多く発表しています。

本書『体の贈り物』はHIV患者と、彼らをケアするワーカーの話です。
失われるものと、残されるものー、コロナウイルスの感染問題に直面している今だからこそ、真正面から向き合いたいと思う作品です。

 

翻訳は柴田元幸氏。私の「外国文学嫌い」を克服させた翻訳家です。
ポール・オースターほか、現代アメリカ文学の翻訳を多く手掛けています。

 

 

『苦海浄土 わが水俣病』石牟礼道子

工場排水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。
本作は、世に出て三十数年経ったいまなお、極限状態にあってもかがやきを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。(講談社文庫より引用)

 

石牟礼道子は1927年生まれの作家。本書『苦海浄土 わが水俣病』ほか、環境破壊と命の危機を描いた作品を多く発表しています。

晩年はパーキンソン病と戦いながら執筆をつづけ、苦海浄土3部作(「神々の村」「天の魚」)を発表。2018年90歳で死去されました。

 

環境破壊とウイルス感染ー、少し話は違いますが、人間が文明の中で引き起こしてきた問題を考える上で、ぜひ読んでおきたい1冊です。

 

 

『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』 ユヴァル・ノア・ハラリ

国家、貨幣、企業……虚構が他人との協力を可能にし、文明をもたらした! ではその文明は人類を幸福にしたのだろうか? 現代世界を鋭くえぐる、50カ国以上で刊行の世界的ベストセラー!(河出書房新社より引用)

 

ユヴァル・ノア・ハラリは1976年生まれのイスラエルの歴史学者。本書『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』とその続編『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』が全世界でベストセラーとなっている、現代における「知の巨人」です。

このハラリ氏が、コロナウィルス感染をどうとらえているかには注目が集まっています。

今こそ、長らく積読していた『サピエンス全史』の読みどきです!
途中まで読みましたが、驚きと納得の連続です。

で、第1章「唯一生き延びた人類種」には、次のような記述があります。

ホモ・サピエンスは、さらに不穏な秘密を隠してきた。私たちには野蛮ないとこが大勢いるばかりではなく、かつては多くの兄弟姉妹もいたのだ。私たちは自分たちが唯一の人類だとばかり思っている。それは実際、過去1万3000年間に存在していた人類種が唯一私たちだけだったからだ。とはいえ、「人類」という言葉の本当の意味は、「ホモ属に属する動物」であり、以前はホモ・サピエンス以外にも、この属に入る種は他に数多くあった。そのうえ、本書の最終章で見るように、そう遠くはない将来、私たちは再びサピエンスではない人類と競い合う羽目になるかもしれない。(「サピエンス全史・上」より引用)

 

”野蛮ないとこ”というのは、チンパンジーやゴリラ・オラウータンなどの同じヒト科の動物を指しています。ホモ・サピエンスも動物であり、それがどうやって食物連鎖のトップに飛躍したのかー、当たり前に「人間」として生きている「今」が、どういう起源によるものかを巨視的にとらえることは、コロナ後の世界に備える礎になると思います。ぜひ精読ください。

 

 

まとめ

積読解消として今回取り上げた本は、奇しくも「生」や「死」に深くかかわるものばかり。
コロナウイルス感染は、文字通り生命を奪うかもしれないし、仕事や家族、知人との絆や自分を支えてきた価値観を失うという「死」をもたらすかもしれません。

コロナに打ち勝つことが正しいのか、「打ち勝つ」ってどういうことなのか、生死に直面した人々の物語を読む意義とは。

苦しいことや辛いことを作者があえて描く根底にあるのは、一種の「祈り」ではないでしょうか。

こんなときだからこそ、私は「人」であり続けるための「祈り」に触れたいと思うのです。

 

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今回紹介したような「重そうな話」ばかりでは気が滅入ってしまうかもしれません。

そんなときには、「読んだことのある好きな本」や「読むと安心できる本」を傍らに置いておくといいでしょう。私の安心本の話は、また別の機会に。

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