モテテク!?「大人の女の隙」は、作れるものなのか? 映画に学ぶ女の隙

コラム
*本記事のリンクには広告が含まれています。

自分でもなぜだかよく分かりませんが、いまだに ”愛され” とか ”モテ” の話題が気になったり、大人の女がやらかしてしまう騒動を追いかけたりしている今日この頃。ちゃんと歳をとっていくためには、まだまだ努力が必要です。

で、今回の課題は「大人の女の隙」です。ザックリいうと、完璧な近寄りがたい女よりも、ほどよく隙があったほうがモテるよ、ですね。

が、そもそも大人の女の隙ってなんなんでしょ? 狙って作れるものなんでしょうか?

という話です。

大人の女の隙とは(ネット調べ)

そもそも「隙(すき)」というのは、物と物の間の空間のこと。どのお宅にもあってほしくないけど必ずあるアレです。

物の話ではなく「心」の隙というのは、よからぬ話やスピリチュアル方面に傾いてしまう心の緩みや満たされない思いが作る心の空間のこと。

つまり、本来なら「隙」はないほうがいいものです。武道の世界だったら「隙」は命取りにすらなりかねない危険なもの。

が、恋愛市場では「隙」がないと近寄りがたい印象を与え、モテないといいます。

例えば、

・メイクは完璧ではなく「引き算で」
・スケジュールは詰め込み過ぎず、ひとりの時間も大切に
・会話は「あえて知らないフリ」がちょうどいい
・SNSの更新は控えめに

ってなことが「大人の女の隙」として紹介されています。 姑息な……。

さらにもっとワナワナすると思いますが、男性からの意見も紹介しておきましょう。
ある意味、閲覧注意です。

・警戒心が薄い 男性と2人だけで食事に行くのもOK
・話しかけやすい
・ホンワカしている
・ギャップがある
・ほどよく(酒に)酔う
・自分でできないこと(ホントはできても?)を依頼してくる
・ツッコミやイジリを軽く受け流す
・笑顔でパクパク食べる
・スカートからパンツが見えてる
・胸の谷間が見えてる
・ボディランゲージが多い
・じゃれ合うのが好き
・怒ってふくれっ面からの笑顔

アホなんでしょうか、日本の男は。こういう女性を見て「あ、なんか隙があっていいな」「ちょっと誘ってみようかな」となるんでしょうか。

で、こんな情報を真に受けて男性と2人だけ食事に行き、「ちょっと酔ったかも」とパンツを見せながら、怒ってふくれっ面をしたあとに笑顔になってパクパク飯を喰らうー。

そんな女はモテん! 人としておかしいやろ!

大人の女の隙とは何たるかを、世界最高峰の大人の女、ケイト・ブランシェット様に学びましょう。

ケイト・ブランシェットに学ぶ、大人の女の隙


(c)AFP/JUSTIN TALLIS

ケイト・ブランシェットはオーストラリア出身の女優。1996年にハリウッド進出以後、数々のヒット作に出演する実力派女優です。

で、ご覧の通りのクールな美貌。一見、完璧な「隙」のない「大人の女」に見えますが、演じるのは意外と「隙」がある女性たちです。

さあ、とくと学んでまいりましょう。

ケイト・ブランシェットに学ぶ「隙あり」の女


Polygram Filmed Entertainment / Photofest / ゲッティ イメージズ

あどけなさゆえの「隙」

映画『エリザベス』(1998年)

まずはケイト・ブランシェットの出世作となった『エリザベス』のエリザベス1世です。
父ヘンリー8世の死去後、異母姉のメアリー王女とのすったもんだの末、25歳でイングランド女王に就いたエリザベスの半生を描いた映画です。

やれ 「誰と結婚するんだ」 だの 「国の統制はー」「信仰は―」と、オッサンたちにやんややんや言われるエリザベスは、若さゆえのモロさがあって、そこがほどよい「隙」となっています。

使命感に満ち溢れた「隙」

映画『ヴェロニカ・ゲリン』(2003年)
映画『ニュースの真相』(2015年)

共に実在の女性ジャーナリストを描いた作品です。
真実を追う使命に満ちたヴェロニカ(『ヴェロニカ・ゲリン』)とメアリー(『ニュースの真相』)ですが、陰謀によって大きな挫折を味わいます。

ジャーナリストとして、女性として、ひとりの人間として大きなものを失ってしまう恐怖に打ちひしがれる姿は「完璧な大人の女」の裏にある真実の姿です。

アホな男たちに ”ギャップ萌え” なんて言われてたまるか、というこれぞ大人の女の「隙」です。

マイノリティゆえの「隙」


Sony Pictures Classics / Photofest / ゲッティ イメージズ

映画『ブルー・ジャスミン』(2013年)
映画『キャロル』(2015年)

実業家の夫が詐欺容疑で逮捕され、財産を失い心を病んで没落していく女性ジャスミン(『ブルー・ジャスミン』)そして年下の女性と恋におちる女性キャロル(『キャロル』)

マイノリティとして孤独や苦しみが生み出す「隙」と、それでも自分らしく生き抜こうとする力強さが魅力的です。

ケイトブランシェットに学ぶ「隙なし」の女


-UniversalStudios/Photofest/ゲッティイメージズ

映画『エリザベス・ゴールデン・エイジ』(2007年)

前作ではあどけなさの残るエリザベスでしたが、あれから10年、国王として君臨する姿はもはや「隙」などありません。新たな恋が芽生えますが、国と自身の誇りのためその芽をむしり取ります。

そして「アルマダの海戦」に向かう凛々しき姿は、誰よりも孤高でカッコイイのです。

映画『オーシャンズ8』(2018年)

『オーシャンズ8』のルーは、計画の首謀者デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)の相棒。
デビーが元カレへの復讐という私情を挟むことをクールにたしなめ、計画を完遂します。
これぞ隙なし、近寄りがたい大人の女です。

ケイトブランシェットに学ぶ「隙ありすぎ」の女


-Fox Searchlight / Photofest / ゲッティ イメージズ

映画『あるスキャンダルの覚え書き』(2006年)

教え子と不適切な関係を持ってしまう美術教師シバ。親しくしているベテラン教師バーバラ(ジュディ・デンチ)の真の狙いに気づかず頼りにしますがー。

シバは隙がありすぎて見ていてイライラするんですが、前述した”男性からの意見”に近いのは、おそらくこのシバくらいにガードの低い女でしょう。

どうかしたらパンツ見せそうな気がしますもん。いや、見せませんけどね。

「大人の女の隙」は作れるのか問題のまとめ

というわけで、大人の女の隙は「作る」とか「作らない」という話ではなく「生きざま」なのでしょう。

ふつうに世間の荒波に揉まれて生きてきた女性であれば、自分の理想と現実の狭間にほどよい「隙」があるはずです。「隙のない女」なんているはずがないのです。

無理して「隙」を作ろうとする行為や、作られた「隙」に果たして魅力があるでしょうか。

私はないと思いたいー。

タイトルとURLをコピーしました