映画タイトル:ミックマック
原題:Micmacs à tire-larigot
製作年:2009年 フランス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
映画『ミックマック』は、
流れ弾に当たりその銃弾を頭に残したままホームレスになった男が、仲間らとともに軍需企業への復讐を企てるクライムコメディ。スクラップを駆使した仕掛けとフランスらしい社会風刺が見どころのジャン=ピエール・ジュネ監督作品です。
キャスト
・ダニー・ブーン(バジル)
頭の中に弾丸の残った男
・ジュリー・フェリエ(ラ・モーム・カウチュ)
廃品工場の仲間 非常に身体が柔らかい
・ジャン=ピエール・マリエール(プラカール)
廃品工場の仲間 元死刑囚
・アンドレ・デュソリエ(ド・フヌイエ)
オーベルヴィリエ軍事会社社長
・ニコラ・マリエ(マルコーニ)
ヴィジランテ兵器会社社長
・ドミニク・ピノン(フラカス)
廃品工場の仲間 ギネスに挑戦する男
映画『ミックマック』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)

レンタルビデオ店で働くバジルは、偶然居合わせた発砲事件で流れ弾を頭に喰らい病院へ搬送されます。弾丸の摘出には危険が伴い結局頭の中に残したまま退院するバジル。が、その間に仕事も住むところも財産のすべてを失ってしまいます。
ホームレスになったバジルに声をかけてきた元囚人のプラカール。彼に誘われてスクラップ工場で仲間とともに共同生活を始めるバジルは、ある日、自身と父親の身に起きたことの元凶が軍需企業にあると気づきー。
評)巨悪に立ち向かう弱者たちのアーティスティックなファンタジー
バジルの父は西サハラの地雷撤去作業で命を失っています。その父の遺品の写真で見た地雷のロゴマークの企業と、自分の頭に残る弾丸の製造会社が向かい合わせに建っていること発見し、仲間とともに復讐(イタズラ)を仕掛けるストーリーの本作。
スクラップで作るイタズラの道具や、軟体、計算好きなど個性的なキャラ、アーティスティックな映像などの見どころが満載です。
ストーリーのほうはかなりご都合主義で、そもそもイタズラと言っていいものか、とも思いますが、巨悪に立ち向かう社会的弱者たちというシンプルさがブレないのは気持ちがイイ。ファンタジーと割り切って楽しむ作品でしょう。
映画『アメリ』(2001年)で見せた、映像美とちょっと変だけど愛すべき人々が織りなすジャン=ピエール・ジュネ監督の世界をぜひ。