中高年の恋愛はうまくいかない!? 映画に解決のヒントあり!

中高年の恋愛おすすめの映画

「同窓会で再会した同級生に恋をしてしまいました」

ある新聞のお悩みコーナーに寄せられた相談です。相談主は70代の女性。

老後の寂しさや生活への不安からパートナー探しのための「婚活」を行う人も少なくないなか、自然に恋に落ちるなんて素敵なことと思いませんか? 文面からするとどちらも既に配偶者はなく、いわゆる「不倫」ではなさそう。「孫の成長が楽しみな普通のおばあちゃんです」と言いつつ「家事も手につかないほど彼のことがー」と、かなりご執心。完全に乙女です。

「どうしたらいいでしょうか?この気持ちは自然に冷めるものでしょうか?」

この相談の回答者は、あの美輪明宏さん、美輪ちゃまです。

久しぶりの恋心に戸惑う乙女に対し「素敵なことじゃありませんか」と背中を押すかと思いきや、なんと美輪ちゃま、バッサリ斬ります。

「男性は年をとったら不能になる、惨めな思いをさせてしまうかもよ」
「お互いの家族はどうすんの?」
「経済的に年金だけでやっていけんの?」
「もしもの時に家族は面倒を見てくれるの?」
「墓は?」

映画やドラマのようにはいかないから現実的なことを一つ一つ考えなさい、というアドバイスです。厳しいご意見ですが現実はそうなんでしょう。

というわけで、「映画のようにはいかない」を踏まえつつ、中高年の恋愛のヒントを映画の中から探してみましょう。(*映画のネタバレあります)

映画『ローマ発、しあわせ行き』に学ぶ、「真剣な思いは周囲を動かす」

若い頃の恋愛は自分たちの気持ちだけで突っ走ることができます。むしろ、周りに反対されるとかえって燃え上がる、というのは定番中の定番。

映画『ローマ発、しあわせ行き』(2015年)には、かつて恋仲にありながら周囲の反対で一緒になれなかった高齢の男女が登場します。

別の男性と結婚し死別した女性のもとに、元カレから「○月○日○時にローマの××教会で結婚式を挙げよう」という手紙が届きます。女性が暮らす場所からローマまでは数百㎞。女性は自分で車を運転することはできず、息子にも頼むことができず、それでもどうにかしてローマに行こうと徘徊しては、連れ戻されることを繰り返しています。

そこにひょんなことから協力者が―。協力者となるのは、ともに恋愛観に問題アリのアメリカ人母娘。母(サラ・ジェシカ・パーカー演)はこの老女の息子の元カノです。

この老女の愛する人へのひたむきな思いは、この母娘の恋愛観も変えていきー。


美輪さまが言うように、たとえ今は独身の身でもお互いの家族や健康問題などの現実問題があります。自分たちの思いだけではどうすることもできないのが中高年の恋愛でしょう。

しかし、協力者や理解者を得ることで何とかなるかもしれません。そしてその理解者は、お金や権力では手に入れることはできないもの。

真剣な思いこそが周囲を動かす。この映画が参考になるはずです。

映画『恋愛適齢期』に学ぶ、「傷つくことも覚悟する」

TVで見かける中高年の婚活パーティでよくいるのが、出来上がった自分の世界に相手を合わせようとして、結果うまくいかない中高年です。

財力も名声もある中高年であれば、自分の価値観やこれまでの生活に自信や誇りを持っています。恋愛においても自分の価値観が絶対であり、変えようとしない。変えることを嫌うのです。

ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンが演じる映画『恋愛適齢期』(2003年)の二人もそんな中高年です。

財力だけでなく人脈が豊な暮らしは「孤独」とは無縁と思いがちです。しかし誰かを好きになることは、嬉しさやドキドキだけでなく、心の底に潜んでいた淋しさや孤独を強く感じさせます。

映画の二人は孤独や変えられない自分と格闘しながら、後悔しない生き方を選んでいきます。「もう若くないから恋愛で傷つくなんて怖い」と思いがちですが、恋愛がもたらす「傷」は年齢不問です。

だからこそ、恋に年齢は関係ない、と言えるではないでしょうか。

映画『鑑定士と顔のない依頼人』に学ぶ、「人を見下す人ほど騙されやすい」

最後は、中高年の恋愛で最も残念なパターン「騙されてしまう」です。

映画『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)の主人公(ジェフリー・ラッシュ演)は、名画の鑑定士として社会的成功を手にした中年男性です。

(C)2012 Paco Cinematografica srl.

美しい女性が描かれた名画をコレクションし、その名画に囲まれて暮らしています。しかもかなり偏屈で、潔癖症で、用心深くて、人間嫌い。

この男性があることから人前に姿を現さない若い女性と関りを持ち、どんどん彼女に惹かれていきます。用心深くて簡単に他人を信用しない男は、巧妙に嵌められていき、やがてー。


そんなつもりはなくても知らず知らずのうちに若者や学歴の低い人、収入の少ない人、未婚者や離婚経験者、性的マイノリティなどを自分よりも「下」に見てしまう傾向はありませんか?

「自分は冷静に判断できる」「自分が騙されるわけがない」「自分は頼りにされて当然の人間」などと思っている人ほど危険です。

そういう中高年が久々に恋をすると、いとも簡単に騙されてしまいます。婚活でウリにしたい収入や職歴は「諸刃の剣」かもしれませんのでご注意を。

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