『仮想人生』 はあちゅう  ネットで培われてきた魅力

仮想人生おすすめの本と読書の話
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ツイッターで何かと話題のはあちゅう氏の小説『仮想人生』

ツイートをチラ見する程度で、ブログも出版物も読んだことはなかったのですが、たまたま見かけた新聞広告

ネットを知り尽くすはあちゅうにしか描けない、SNSでむき出しになる人間の素顔。衝撃の裏アカウント小説!

に、ムムム!となってしまい、読みました。幻冬舎おそるべし。

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『仮想人生』はこんな話

ネタバレしない程度にザックリ紹介しますと、この話はツイッターの裏アカウントを持つ5人の男女の群像劇です。

33歳専業主婦のユカの話をかわきりに、ナンパ師、童貞、デリバリーホスト、娼婦まがいのOLへと話はつながっていきます。

 

33歳ユカは、友人「美香」の名を借り、セックスレス人妻の裏アカを作る。
セックス相手を求める気はないけれど、知らない世界を覗き見ることにハマっていきます。
そこで、ナンパ師の「圭太」や童貞の「ナオ」とつながっていく。

また、ユカの夫、恭平の知り合いでリアルの面識がある裕二は、「暇な医大生」として8万フォロアーを持つネット有名人。

さらに「ナオ」の友人の八代と、八代が童貞の処理をお願いした42歳の「ねね」が登場します。

 

これら登場人物の主観で各章が描かれ、徐々にそれぞれの関係性が見えてくる構造となっています。

 

裏アカでのつながりでありながら、他人の人生に変化をもたらすことを知るユカ。
そのユカ自身の人生も、あることをきっかけに大きく変化していきますー。

 

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まさに、はあちゅうの世界

仮想人生―。「人生」と言いつつ、話題がセックスばかりで「なんじゃこりゃ、この人たちの人生ってそればっかりかい!」「これがはあちゅうワールドか」と思いながら読み進めました。

 

さらに、ところどころに陳腐でベタな表現があり、「これがはあちゅうクオリティか」と。

 

で、この本を読んで感じる「安っぽさ」「薄っぺらさ」って、ある種のツイートを目にしたときに感じるものと非常によく似ているのです。

 

自己啓発本の読みすぎなのか、自分だけを「啓発」してればいいものの、勢い余って他人を「啓発」しようとしたり、そこに「売り物」をくっつけたりしている胡散臭いインフルエンサーとか、それを成敗しようするアンチとかー。

 

つまり、いつもその世界の中心にいるはあちゅう氏だからこそ、そうした「安っぽさ」や「薄っぺらさ」を小説の世界に再現できたのだと思います。

 

意図的にやっているとしたらスゴイ。

 

いや、意図的にやってるんですよ。はあちゅう氏は!

 

ネットが炎上したときの「暇な医大生(裕二)」のところや、DV元夫との過去を描いた「ねね(愛)」のところに顕著にあらわれているのですが、「感情が乗れば乗るほど、うわすべりして陳腐さ際立つ」という魅力! これぞネットで培われてきたはあちゅう氏の魅力なのです(←ほめてます!)。

 

だからこそラストがもったない。「イイ感じでまとめやがって、もっと腹黒くいけよ」(←ほめてます!)という思いが残ります。

 

――――――

 

ネットの印象が読むときの先入観になるのはどうかなー、と思ったのですが、これは先入観があるからこそ楽しめる作品です。

はあちゅう氏を「胡散臭い」「炎上狙いの狡猾なヤツ」と思っている人にこそ、おすすめの1冊です(←ほめてます!)。

 

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