苦手の苦手による苦手のための「ホラー映画」談義

コラム
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みなさん、ホラー映画はお好きですか?

私は苦手です。ヒューマンドラマやサスペンス、ロマコメなど他に見たい映画がある中、あえて見る気にはならず避けてきたジャンルです。

が、名作と言われる映画の中にはホラー映画がたくさんあります。

一説によると、ホラー映画は社会情勢を反映しているのだと。第二次世界大戦後の権力主義、資本主義に対する反対運動(平和主義、反戦運動、ヒッピームーブメントなど)が世界で巻き起こった1960年代。それらの敗北とともに訪れた不景気や環境破壊という社会不安が増大した1970年代。ホラー映画の名作はこうした時期に誕生しています。

現実より怖いもの、悲惨なものを見ることで「現実はまだマシ」と思いたい、あるいは見終わったときの恐怖から解放される安堵感を味わいたい、といった心理がホラー映画を求めているのかもしれません。

というわけで、ホラーが苦手な私の苦手による苦手のための「ホラー映画」談義です。

名作ホラーを見て気づく、ホラー映画の奥深さ

ここ数年、ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」でホラー耐性をつけてきました。

そして長年避けてきたホラー名作『エクソシスト』(1973年)と『サスペリア』(1977年)をいざ視聴!

結論から言うと、それほど怖くはなかった。というよりも、怖いかどうかという以上に作品に内包されたテーマや表現手法に興味を覚えました。

ご存知かと思いますが『エクソシスト』は悪魔祓いの話(ザックリでスイマセン)で、悪魔に憑りつかれた少女の首がぐるっと回ったり、緑のゲロを吐いたり、悪魔声でがなり立てたり、さまざまな”怖がらせ” 要素があります。

が、根底にあるのは”信仰心の揺らぎ”です。社会情勢が大きく変化していく中で、すがるものが見つからない。正しいと思っていたことは本当に正しいのだろうかー。そんな人間の本心を映しているのだと思いました。

一方の『サスペリア』は、子どもだった公開当時、「決して一人では見ないでください」というキャッチコピーが大流行し、「これが一番怖い映画だ」と思いこんでいた映画です。
2018年にティルダ・スウィントン主演でリメイクされていますが、評判がアレなので本家へ直行。

映画『サスペリア』

めちゃめちゃオモロイ。アート、美術センスのスゴさとゴブリンによる音楽、音響の斬新さに度肝を抜かれました。

ストーリーの中でも美醜に関する描写や言及も多く、”美”が持つ怖さ、”美”への囚われを表裏に巧みに表現しているな、と思いました。

ホラー映画は多種多様 あなたの苦手は何?

映画『ローズマリーの赤ちゃん』

「ホラー映画」と一言でいっても多種多様です。

恐怖の対象は「見えるもの」なのか「見えないもの」なのか。「実在するもの」なのか「架空のもの」なのか。悪魔、幽霊、ゾンビ…。特定の恨みなのか不特定多数への侵略なのか。

それらが映像と音、そしてストーリーとしてどう表現されているか、がホラー映画の大きな見どころでしょう。

そんなさまざまな見どころのあるホラー映画。その魅力に気づいたものの、どうしても苦手なものがあります。

汚いもの、グロテスクなスプラッター系、虫、いわゆる蓮コラ。これらはなるべく避けたい。ギミックを凝らしたクリーチャーも何がスゴイのかよくわかりません。やたら画面が暗いのも見づらくてイヤになる。

一方、カルトや信仰を背景にした人間の狂気を描いたものは大好きです。おしゃれだったらなおヨシ!

『サイコ』(1960年)
『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)
『オーメン』(1976年)
『シャイニング』(1980年)
『ヒッチャー』(1986年)
『ミッドサマー』(2019年)
『RUN』(2020年)
『ラストナイト・イン・ソーホー』(2021年)

ホラー映画が苦手というあなたも、もしかするとどこかに苦手を克服できるポイントがあるかもしれません。

勇気を出して、ぜひ、お試しください。

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