映画『ハリーとトント』(1974年)のザックリとしたあらすじと見どころ

ヒューマンドラマ

映画タイトル:ハリーとトント

原題:Harry and Tonto

製作年:1974年 アメリカ

監督:ポール・マザースキー

映画『ハリーとトント』は、

NYのアパートから強制立ち退きさせられた老人ハリーとその愛猫トントの物語です。
独立した子どもたちの家を訪ね歩く『東京物語』的ロードムービーで、ちょっと『幸福の黄色いハンカチ』な展開も見どころも。そしてなんといっても茶トラのトント!猫好きは必見の1本です。

キャスト

・アート・カーニー(ハリー・クームズ)
妻に先立たれ愛猫のトントと暮らす老人

・エレン・バースティン(シャーリー・マラード)
ハリーの長女  シカゴ在住

・ラリー・ハグマン(エディ・クームズ )
ハリーの次男 ロサンゼルス在住

・ジェラルディン・フィッツジェラルド(ジェシー・ストーン)
ハリーの初恋の女性

・メラニー・メイロン(ジンジャー)
旅の途中で知り合うヒッピーの少女 

・フィル ・ブランズ(バート・クームズ)
ハリーの長男 

映画『ハリーとトント』の見どころと感想

(*ちょっとネタバレありです)

NYのアパートで愛猫トントと暮らすハリー。が、区画整理のため立ち退きを余儀なくされます。
トントとともに長男バートの家に身を寄せますがバートの妻に気兼ねし、長女シャーリーの暮らすシカゴに赴きます。

が、トントを連れては飛行機に乗れない。やむなくバスを利用しますが、バスもまたトントが原因で下車することに。

中古車を買って旅を続けるハリーとトントは旅の途中で様々な人々と出会います。コミューンに向かうというヒッピーの少女ジンジャー。老人ホームで暮らす初恋の女性ジェシー。

次女の家に到着したものの、そこで暮らすことはできないと思ったハリーは次男がいるロサンゼルスへ向かいます。

さらに続くハリーとトントの旅。たどり着いたロサンゼルスでー。

評)演じ過ぎないトントの名演(!?)が光る”老いロードムービー”

年老いた親と独り立ちした子どもたちの複雑な関係、というこの映画のテーマはシェイクスピアの『リア王』をベースにしたものですが、やっぱり思い出すのは小津安二郎監督の日本映画『東京物語』(1953年)でしょう。

が、こちらのハリーは住むところがなくなり、しかも猫連れ。『東京物語』とはまた違うヒリヒリとした哀愁を感じずにはいられません。

ロードムービーらしく旅の途中ではさまざまな出会いがあります。
コミューンに向かうというヒッピー少女というのも時代感があり、その少女の勧めで初恋の女性に会いに行くというのはちょっと『幸福の黄色いハンカチ』風なのも嬉しい。(本作『ハリーとトント』ほうが先に作られています)

奇妙な精力剤を売りつけられたり、高級娼婦と頑張っちゃったり、立ちションで捕まり留置所に入れられ、そこで知り合うインディアンの酋長に病気を治してもらったり。「老い」を描きつつも、人生を楽しむハリーを肯定的に描いています。

そんなハリーのそばにいる茶トラ猫のトント。やっぱり見どころはこのトントでしょう。
ありがちに擬人化したり愛玩的に扱うことなく、ハリーとの間柄もほどよくドライ。素の猫として存在しています。

ベストシーンは、シカゴを離れ、再び車で旅に出るところ。ハリーたちの乗った青い車を上空からズームアウトでとらえ、次のショットは車中で気持ちよさそうに毛づくろいするトント。ジンジャーと孫のノーマンが何かを食べている。そして温かい表情のハリー。

この旅がこの先どうなろうと「幸せ」ってこういう瞬間なのよね、と思わせる名シーンです。

映画『ハリーとトント』、おすすめです。ぜひ。

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