映画『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』(2015年)の ザックリとしたあらすじと見どころ

ヒューマンドラマ

映画タイトル:アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発

原題:EXPERIMENTER

製作年:2015年 アメリカ

監督:マイケル・アルメレイダ

 

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◆映画『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』は、

1960年代にアメリカのイェール大学で行われた「アイヒマン実験」を描いた映画です。

この実験は、「人はなぜ権威に服従してしまうのか」を明らかにし、誰しもがアイヒマンになり得るという衝撃の結果をもたらしました。

実験方法や倫理的問題を非難されながらも、この実験に生涯をかけた心理学者ミルグラム博士と、実験結果が被験者や社会に与えた影響とはー。

 

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◆キャスト

・ピーター・サースガード(スタンレー・ミルグラム博士)
心理学者 ナチスによる大量虐殺(ホロコースト)が、なぜ、どのようにして起きたのかを明らかにする実験(アイヒマン実験)を行う

・ウィノナ・ライダー(サシャ/アレクサンドラ・ミルグラム)
ミルグラム博士の妻

・ジム・ガフィン(ジェームズ)
実験の学習者役(実験の協力者)

・アントン・イェルチン
被験者

・ジョン・レグイザモ
被験者

 

◆映画『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』の見どころと感想

(*ネタバレありです)

-Magnolia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

1961年、アメリカ、イェール大学で行われた実験は、別室にいる学習者に先生役の被験者が問題を出し、答えを間違えると電気ショックを与えるというもの。
先生役の被験者には、学習者が正解しなければ電圧をあげるように指示されています。

二人の被験者に学習者と先生役を「くじ引き」で選ぶようになっていますが、被験者の一人は実験の協力者であり、常に学習者になるように操作されていました。

実際には電気ショックがいかないように設定されていますが、そうとは知らない先生役の被験者は、別室から聞こえてくる学習者の電気ショックによる悲鳴やうめき声(演技です)に心を痛めながらも、指示されたとおりに電気ショックを加えていきます。

 

当初は「最後まで電気ショックを与え続ける人は一人もいない」と、多くの心理学者や精神科医たちはみていました。
しかし、ほとんどの被験者が最大の450vまで電圧を上げたという結果がもたらされ、社会に大きな衝撃を与えます。

この実験は被験者を騙して行ったものであり、被験者の心理的後遺症などの倫理的問題から、実験結果は容認しがたいという批判を受けながらも、ミルグラム博士は生涯、この種の実験を続けます。

 

この映画の題材について、補足しておきます。

アイヒマン(アドルフ・アイヒマン)とは、第二次世界大戦時のドイツ、アウシュビッツ収容所の所長。ナチスによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)に強く関与した人物です。

 

 

アイヒマンに対する裁判の中で、ナチスの支配体制や虐殺の実態が明らかになる一方、アイヒマン自身は、非人道的な極悪人というよりも「指示に従っただけ」の凡庸な人物ということ明らかになります。

 

――――――

 

「人はなぜ権威に服従してしまうのか―」

自分がこの実験の被験者になることを想像すると、「いや、自分は指示に従わない。苦しがっている人に電気ショックを与え続けられない」と思うかもしれません。
おそらくこの実験の被験者となった人のほとんどが、そう思っていたはずです。

第三者の立場では、「なぜそんなことを?」「おかしいって思わなかったのか?」と当事者を非難することはできます。

しかし、当事者の立場になったときに、本当に自分の道徳心をもって体制の流れやしきたりに反することができるのでしょうか?

人がこうした局面に立たせられるのは、大きな事件や犯罪がらみだけではありません。

会社の一部署の中でも、ママ友同士の中でも起こり得ることです。

 

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ちなみにこの映画、やたらと主人公(ミルグラム博士)がこっちを向いて説明してきます。いわゆる「第4の壁を越える」という手法です。

この手法を多用し過ぎで、説明的な印象の残る映画ですが、ミルグラム博士の行った実験にはかなり興味が沸きました。

 

 

◆ミルグラム博士の著書はこちらです。

 

 

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