「このままでは老後がトンデモナイことになるー」という思いから生活を見直し、 Dinksから専業主婦になりました。
仕事を辞める上で最も心配だったのは、言うまでもなく「お金」です。
仕事を辞めたからといって、毎日オシャレなカフェでお茶したり、ヨガ教室で身体のラインを整えたり、自宅でパンを焼いて友人を招待したりできるわけではありません。というか、そんなおかしな妄想すらできません。
仕事を辞めるということは、これからの生活をどうするか、その生活費をどうするのか、という現実的な問題に直面するということです。
次の転職先を決めずに退職したり、何の準備もないのにフリーランスになろうとする人に対する「とにかく動く!自由に動こう!」という無責任な応援があふれる昨今、それで挫折しても20代や30代前半の若者には充分にリカバーするチャンスがあります。しかし、40代後半ともなれば事情は異なります。
仕事を辞めたときに直面するのは「夢」ではなく「現実」です。
Dinksから専業主婦になるときには、「生活にかかるお金」という現実問題をしっかりと考えておきましょう。
夫の理解を得る
まずココです。収入が2人分であろうが1人分であろうが生活(もちろん生活費も)は夫婦2人のものです。「仕事辞めるから収入半分になるよ。無駄遣いやめてね」では夫は「ナニソレ!それ勝手じゃん!」となるでしょう。
「家事やお金の管理をちゃんとやって、まっとうな老後を迎えたい」を夫婦共通の方針とし、そのなかでできる具体的なことを一緒に考えていきましょう。
自己資産を徹底的に把握する
自己資産は現金や銀行預金だけではありません。ローンや生命保険についてもしっかりと現状把握しておきましょう。
住宅ローン
2008年以前に20代や30代前半で住宅を購入している場合は、高い金利のローンを組んでいる可能性があります。金利の安いローンへの借り換えや繰り上げ返済を検討してみましょう。
ただし夫婦共有名義のまま借り換える場合、専業主婦では借り換えの審査に通らない可能性があります。借り換えをする場合は退職前に計画的に実行しましょう。
また繰り上げ返済には月々の返済額を少なくする「返済額軽減型」と、返済期間を短くする「期間短縮型」があります。両者は一長一短ですが、40代後半で老後を考える今なら「期間短縮型」を選択すべきです。期間短縮型のほうが利息軽減効果が高いという大きなメリットがあります。
子供の進学や夫の転職など支出や収入が変わりやすい世帯なら「返済額軽減型」もアリですが、そういったリスクのない40代後半の夫婦のみ世帯であれば、老後の生活にむけて「借金」を残さないことを最優先に考えましょう。
収入があるうちは「いつでも返せる」と思い借金があることを負担に感じていませんが、収入がなくなると借金はただの「負債」になります。これが老後破産の大きな原因であることを知っておきましょう。
生命保険
夫婦それぞれの生命保険の種類(終身保険か定期保険か)と補償内容を確認です。専業主婦となって収入がなくなると、月々の保険料はかなりの負担となります。
自分は働いていないのだから病気やケガの補償だけでいい「保険料を安くしたい」、または「保険は必要ない」という考えもアリです。ただし、若い頃に加入した保険の中には貯蓄性の高い保険もあります。
いわゆるバブル期(1985年~1990年)の生命保険には、予定利率が5%を超える「お宝保険」があります。既に支払保険料以上の解約払戻金が見込める保険であればムリに解約する必要はないでしょう。
「いつまで保険料を払うのか」
「いつまで保険給付を目的として契約継続するのか」
を考えておきましょう。
保険の見直しについては、一度専門家に相談することをおすすめします。
資産を管理する
Dinksの場合、それぞれの収入の中から一定の生活費を出し合う形にしている夫婦もいます。そうした場合には夫の資産は分かりません。実はすごくため込んでいるかもしれませんし、最悪、借金があるかも……。
明るい老後に向けて資産を開示していただくか、今後の管理を任せてもらうよう交渉してみましょう。
資産運用や投資について
低金利が続き銀行預金では資産を増やすことは難しい時代です。少しでもお金を増やそうと投資に興味を持つのはいいことですが注意も必要です。
ここまで資産運用を考えたことのない人がいきなり「うまい話」に飛びつくのは危険です。株や投資信託、仮想通貨、外貨預金、外貨建て保険などあらゆる金融商品があり、知人や銀行で勧められることもあるでしょう。
しかし、即断即決だけはしてはいけません! どういう金融商品なのかをしっかりと調べ「よく分からないものには手を出さない」が鉄則です。
また、現時点で預貯金がない、もしくは少ない人は「元本割れ」のリスクがある投資は控えましょう。
家計簿をつける
現状を把握する
私はDinksの頃は家計簿をつけておらず、通帳の残高だけが収支の目安という超ザックリ勘定でした。これでは何にいくら使っているのか分かりようがなく、見直すべき支出が何かが分かりません。
まずは現状の収支を項目ごと(食費/光熱費/住居費/娯楽費など)に分類して、見直しが必要な部分を確認しましょう。
予算を立て、実行する
現状の把握と見直しが必要な部分が分かったら、次はそれを踏まえて予算を立てます。月々の固定費のほか、特定月のみの支出(税金や保険など)を洗い出し、月々の予算と年間の予算を立てます。
私はエクセルで管理していますが、スマホでも管理できる便利なアプリもあります。活用してみてはいかがでしょうか。
老後の生活をイメージする

65歳、70歳になったときにどういう生活を送るだろうか、ということを勇気をもってイメージしておきましょう。「株や仮想通貨で資産が増え、安定した不労収入があり、夫婦ともども心身共に健康ー」みたいな願望ではなく、現実的な生活を、です。
老後はどのくらいの生活費がかかるのか
現在の家計の状態から「減ることが予想されるもの」「増えることが予想されるもの」「変わらないもの」を考え、ひと月当たりの生活費を試算してみましょう。
ちなみに、総務省の統計によると、70歳夫婦のひと月あたりの生活費の平均は25万円です。住居が持ち家であるか、賃貸か、また病気で入院や通院を余儀なくされていないか、などによって家計状況は大きく変わってきます。
自分たち夫婦の現実的な生活をイメージして予算を立て、その中で生活するという習慣をつけておくことー、これも「老後の備え」です。
年金を試算する
年金制度は老後の生活に大きな影響があります。自分は何歳から年金がもらえるのか、どのくらいの額がもらえるのかは、とても気になるところ。
支給開始は、原則として65歳。
ただし、60歳から減額された年金の繰上げ支給や、66歳から70歳までの希望する年齢から増額された年金の繰下げ支給を請求できます。
日本年金機構 老齢年金ー昭和16年4月2日以後に生まれた方
およそどのくらいの年金がもらえるのかは、日本年金機構「ねんきんネット」で試算することができます。年金は破綻する!と煽る人たちもいますが、すぐに破綻することはなくても制度は年々変わっていきます。そう遠くはない自分の未来に大きくかかわってくる問題として、年金制度や社会保障に関するニュースには関心をもっておきましょう。
「こだわり」は残す
専業主婦になったのを機に張り切って節約や倹約に精を出しすぎると、それがストレスになってしまうことがあります。また、夫に節約を強いるのもいざこざの原因です。
「ここだけは我慢せずにお金を使おう」という「こだわり」を残すことは悪いことではありません。金銭感覚がまともになるに従って、その「こだわり」への自己評価も変わってくると思います。
なにもかも「贅沢」と考えず、「適宜見直し」を継続していきましょう。
まとめ
Dinksから専業主婦になるときには、自己資産や今後の生活にかかるお金をしっかりと把握しておきましょう。
・現時点で見直すべきことを洗い出し、着手する
・老後の生活をイメージして、生活のサイズダウン、コストダウンを段階的に行う
では、実際にDinksから専業主婦になると生活はどう変わるのか?生活水準は下がるのか?
こちらの記事をどうぞ。