映画タイトル:マイ・ハッピー・ファミリー
原題:Chemi Bednieri Ojakhi
製作年:2017年 ジョージア・ドイツ・フランス
監督:ナナ・エクチミシヴィリ、 ジーモン・グロス
映画『マイ・ハッピー・ファミリー』は、
コーサカス地方の小国ジョージアを舞台に、教師で52歳の女性が家族と離れて暮らすことを決意し自分の人生と向き合う姿をコミカルに描いたホームドラマです。「家族は一緒にいるべき」なのか。遠い異国の話とは思えない必見の1本です。
キャスト
・イア・シュグリャシュヴィリ(マナナ)
52歳の誕生日を迎えた女性 教師
・メラーブ・ニニッゼ(ソソ)
マナナの夫
・ベルタ・ハパヴァ(ラマナ)
マナナの母
・ゴヴァン・チェイシヴィリ(オタール)
マナナの父
・ツィシア・クンスィシュヴィリ(ニノ)
長女
・ディミトリ・オラグヴェリゼ(レゾ)
マナナの実兄
・ギオルギ・フルツィラワ(ヴァホ)
ニノの夫 マナナの家族と同居
・ギオルギ・タビゼ(ラシャ)
長男
映画『マイ・ハッピー・ファミリー』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)

両親と夫、娘夫婦と息子との7人暮らしを送る高校教師のマナナは52歳の誕生日を迎えます。当の本人が乗り気でないのもお構いなしに友人を呼んで相手をさせようとする夫や、日頃から口うるさい母にウンザリ。誕生日を機にマナナは家を出ることを家族に告げます。
町の郊外に小さなアパートを借り一人だけの静かな暮らしに喜びを感じるマナナ。が、街で長女の夫の浮気現場を目撃したり実家の問題から逃れることができません。
そんなある日、偶然再会した高校の同級生とともに同窓会に出かけます。30数年ぶりの再会を楽しむマナナの耳に夫ソソにはよそに作った子供がおり14歳になる、という話がー。
ガスの検針員に扮してその母子の様子を見に行くマナナ。一方実家では、離婚した長女にかわって今度は長男がデキ婚でド派手な嫁が転がり込む。ますます口うるさくなっていく母、さらにはマナナを見張るようにと実兄のレゾに指示された輩がマナナを訪ねてきた夫ソソに殴りかかる騒動までー。
いっこうに静かになることのない周囲のなかマナナはー。
評)ジョージア発、万国共通の家族問題
ジョージアという土地柄なのか、とにかく家族の密度が高い。ひと昔の日本のように「家」に縛られる妻マナナの抵抗に共感しきりの映画です。
マナナは家族の干渉を逃れ1人で生きていく決意をしますが、新居の実家はそう離れていないようで実家との行き来も続いています。さらに面白いのがマナナが家を出た後も、マナナの両親と夫は一緒に暮らし続けるというところ。マナナの母はとにかく口うるさいし父はボケかかっている。が、そんな義父母との暮らしをそれほど苦にしていない夫ソソはイイ人なのかなんなのか……。
マナナはソソの無神経さ(よそに子供をつくってるしな、しかも母は放任やぞ!)に愛情を持てなくったのかもしれませんが、映画ではハッキリ描かれていない離婚か別居かー、私はこの別居はアリじゃないかな、と思いました。
どこの国も熟年夫婦の問題って似たようなもの? 映画『マイ・ハッピー・ファミリー』はNetflixでどうぞ。