本と読書

おすすめの本と読書に関するコラムです。

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『悪童日記』 アゴタ・クリストフ 不条理な現実を直視しているか

『悪童日記』は戦時下のある国境近くの町を舞台に、祖母に預けられた双子の男児の視点で描かれる日記小説です。 著者アゴタ・クリストフは、1935年ハンガリーに生まれ、のちに西側に亡命。1986年に発表された本作は著者のデビュー作で、多くの国で翻訳されロングセラーとなっています。
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『最初の悪い男』 ミランダ・ジュライ 複雑で不思議で寛容な世界

マルチアーチストとして活動するのミランダ・ジュライ。映画『ザ・フューチャー』で見せた独特でシュールな世界観さながらに本書で描くのは43歳独身のシェリル。独自の「システム」で生きる、ちょっとイタいシェリルの「自分らしく生きる姿」をとおして見えてくる世界とはー。
2021.05.18
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『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』 ジョージナ・クリーグ  ひとりの人間としてのヘレン・ケラーを知る

『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』は、視覚障害を持つ著者ジョージナ・クリーグが、ずっと比較され続けてきたヘレン・ケラーに対し、「怒り」の手紙を綴ったものです。そこには、私たちが知る『奇跡の人』としてではなく、ひとりの人間としてのヘレン・ケラーの姿がー。
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『レイラ最後の10分38秒』エリク・シャファク 死が与えた「生きる力」

2017年、臨床死に至ったある患者が、生命維持装置を切ったあとも10分38秒間、生者の熟睡中と同種の脳波を発し続けたと医学誌が発表。このニュースに興味を持った作家エリク・シャファクの本書『レイラ最後の10分38秒』。 その10分38秒に人は何を思うのだろう、人生を振り返るとしたらー。
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『美しい子ども』松家仁之編  イノセントでスリリングな短編小説集

『美しい子ども』は、新潮クレスト・ブックスの創刊15周年を記念して2013年に発刊された短編集です。編者は松家仁之氏。その1日が物語の登場人物たちとともにあるような、ちょっとイノセントでスリリングな読後感をぜひ。
2021.07.26
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『夜と灯りと』クレメンス・マイヤー 言葉で整えられることを拒むような気持ち

『夜と灯りと』は、2006年のドイツ映画『希望の灯り』の原作短編『通路にて』を含む短編集です。東西統一後のドイツで「負け組」として生きる人たちの姿を描いています。鬱屈した社会の中で、マイヤーが光をあてる人々の物語とはー。
2021.07.26
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『KGBの男』 ベン・マッキンタイアー 冷戦史上最大の二重スパイ スパイも人なり

『KGBの男』は、KGBの諜報員オレーク・ゴルジエフスキーを描いたノンフィクションです。冷戦時代の中、ゴルジエフスキーはなぜ2重スパイになったのか。一方、崩壊に至るKGBはどのように腐敗していったのか。映画とは一味違う人間臭いスパイたちの実態と、歴史を動かした驚きの脱出計画を、ぜひ。
2021.06.24
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『その名を暴け』ジョディ・カンター/ミーガン・トゥーイー #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い

ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる長年にわたる性犯罪。本書はその犯罪の実態を暴いたジャーナリストの闘いの記録です。どんな人を対象に、どんな手口で行われたかを被害者や目撃者たちの証言から明らかにしていきます。しかし、そこには性被害ならではの問題がありました。
2021.06.24
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『あの本は読まれているか』ラーラ・プレスコット 『ドクトル・ジバゴ』を見直したくなる

ロシア革命といえば必ず名前の挙がる『ドクトル・ジバゴ』 ”圧倒的な映像と耽美な音楽!” ”激動の時代の壮大なラブストーリー!”と絶賛される名作に正直それほど感動できなかった私。『あの本は読まれているか』はそんな私の思いを一掃し『ドクトル・ジバゴ』スゲェじゃん!と思わせた1冊です。
2021.05.27
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『コラムニストになりたかった』 中野翠 「自分の場所」が見えてきた

コラムにスト中野翠さんの書くものは、ちょっと時評的で批評的。 なぜエッセイストではなくコラムニストと名乗るのか、どういう思いで書くことに向き合っているのかー。これまであえて書かれることのなかったコラムニスト中野翠の裏側が明らかにー。
2021.05.27
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