渾身の「ボケ」が大スベリしてしまったときの対処法

コラム

先のG20大阪サミット(2019年6月28・29日開催)での、安倍首相の「大阪城を復元した際にエレベーターを設置したのは大きなミス」発言がちょっとした騒ぎになりました。

私は当初このニュースを「障がい者への配慮が足りない」としたネットの記事で知ったので、「あら、また失言か……」と思いました。が、その後TVでこの発言の映像(夕食会のあいさつ)を見たのですが、これは「ボケが盛大にスベっとるだけ」の話でそこまで騒ぐことか!?と。

「ボケやギャグにする話じゃない」というご意見はごもっともです。が、笑いが通じない、ボケがスベる、という状況は誰にでも起こりうることです。

渾身のボケがスベってしまった時の対処法を準備しておきませんか?

ボケはボケとわかるようにボケるべし

今回の安倍首相のトークでちょっと残念だったのがココ。ボケがわからん!

一応「今からオモロイこと言いまっせ」という表情はしていますが、いかんせん中途半端。
首相の取り巻きやお友達には通じるかもしれませんが、諸外国の皆様や「サミット中、事件事故があってはならん!」と緊張しまくっている関係者には、ぜんぜん伝わりません。

ボケやオチの前にしっかりをタメを作り、聴衆を引きつけたところで「ボケとわかるボケ」を放てばよかったのではないでしょうか。

不幸にもスベってしまったときの対処法

その1.ボケ倒す、ボケ重ねる

渾身のボケを放ったのに、ドカンと笑いが起きない! クスクスと小さな笑い声のなか「ナニ?ナニ?今、ナニか言った?」みたいな小声まで聞こえてくると一気にしらけてしまいます。

そんなピンチのときの対処法の一つが「ボケ倒し」「ボケ重ね」です。しらけた空気のなか、もう一度同じボケを放ち笑いを要求するのです。

お笑い芸人でもよくやりますよね、この手。面白いかどうかは別ですがー。

その2.自分でツッコミを入れる

もう一つの対処法はツッコミです。

「ウケへんやんっ!」でもいいし、「あ、スベってしまいました!」でもいい。とにかく「今のはボケです」「ギャグです」「ウケ狙いです」という意図をハッキリさせ、結果スベってしまったことを笑いにするのです。

日本の笑いは世界には通じにくい。ましてや日本の政治家の笑いは国内にも通じません。

今回の安倍首相のようなシーンで「ボケ倒し」も「セルフツッコミ」も簡単なことではありませんが、身につけておいて損はないテクニックだと思いませんか?

脱!「分かる人には分かる」 笑いのセンスを国際化しておく

日本人の私が笑いどころがわからなくて困った映画がこちら。

映画『デュー・デート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』(2010年)

同じトッド・フィリップス監督の『ハング・オーバーシリーズ』は面白かったんですが、こちらはイマイチ。

ロサンジェルス行きの飛行機を待つアトランタの空港で財布も荷物も盗まれてしまったピーター(ロバート・ダウニー・Jr)。偶然知り合った役者の卵イーサン( ザック・ガリフィアナキス/『ハング・オーバーシリーズ』にも出演)と一緒に車でロサンジェルスに向かうことにー。

ピーターの奥さんは待望の第一子出産予定日まであと5日。が、旅は予想もしないトラブル続きで果たしてピーターは出産に間に合うのかー、という話です。

キーマンはイーサン。このイーサンが引き起こす騒動は 「バカ」と「シモ」と「ヤク」にまみれていて(R-15指定です)それを笑えるかどうか、面白いと思えるかどうか、が映画全体の感想に直結するわけです。イーサンの表情から「ココが笑いどころなんだろう」というのは分かるのですが、正直それほどオモシロいとは……。

欧米の笑いって、下ネタ満載なのに「オナラ」や生理現象をイジルのは嫌がるし、性差別や外見イジリはタブーなのに、国民性の違いを笑いにするのはあり。日本の漫才のように「ツッコミの説明」で成立するのではなく、ストレートな面白さと言いつつアメリカンジョークを放った後にドヤ顔で笑いを待ったり、正直よく分かりません。

これは私自身が日本特有と言われる「分かる人には分かる笑い」に染まってしまっているからかもしれません。安倍首相の「大阪城にエレベーター発言」のボケ主旨は理解できるのにアメリカンジョークが理解できない、ではこれからの国際化社会に適応できない。私はいまのところ世界各国首相の前でスピーチをする予定はありませんが、人間いつ、どこで、なにが必要になるかわかりません!

映画を参考に笑いのセンスを国際化しておきましょう。

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