読書の秋「燈火可親」/「辞書に書いてありますか!?」/読む本・読んでる本

まんざらでもない日記

2022年10月10日

急に涼しくなった。読書の秋到来。

ん? そういうけれどいつから「読書の秋」なんて言うようになったのだろう。実は特定の業界や団体が仕掛けた、なんてこともあってガッカリするのもアレなのでこれを機に調べておこう。

余談ですが、こちら福岡ではおなじみの正月の三社参り。太宰府天満宮と筥崎宮、宮地嶽神社の3カ所を回ると良い新年が迎えられると言われておりますが、実は地元の交通会社が仕掛けたものと知り、なんだかな……、という気分に。どうかそんなことではありませんように……。

「読書の秋」は中国、唐時代の詩人韓愈(かんゆ)の漢詩からきた言葉らしい。良かった。どこかの出版社とかナントカ協会の仕掛けじゃなくて良かった。漢詩!なかなかの”出”ではないでしょうか。

せっかくなのでもっと詳しく。
韓愈(768ー824年)の詩「符読書城南詩(ふしょをじょうなんによむ」、この五言×54句の長い詩のクライマックス的な箇所に「燈火可親(とうかかしん)」という4文字熟語のもとになった一句があります。

時秋積雨霽(時秋にして積雨霽れ)         
新涼入郊墟(新涼 郊墟に入る)             
燈火稍可親(燈火稍く親しむべく)      
簡編可卷舒(簡編 卷舒すべし)
       

ザックリ訳すと「雨も上がったし涼しくなったので、郊外の灯りのもとで読書するって良くね」でしょうか。

24時間365日どこでも燈火、な現代なのでなかなかこの風情は実感しにくい。
キャンプの夜、焚火のもとでお気に入りの本を読む。「燈火可親です」なんてことをつぶやいてみたい。ま、キャンプに行く予定もないけれど、そんな妄想もアリの読書の秋です。


ってな感じで心穏やかに過ごしているのに、ちょっとイヤなものを見てしまった。

ひろゆき氏が沖縄の基地反対運動の現状に一言申した件。
「24時間座り込んでないですよね、休み休みなのに「座り込み」なんですか」というひろゆき氏の疑問(というか指摘)をめぐって現地で衝突するひろゆき氏と運動家たち。

どちらが言い出したのかは判らないけれど、「座り込み」の定義をめぐって「辞書にかいている、いない」にまで発展。さらにどっちの言い分が正しいかがネットで展開。ここにも「辞書にはー」が散見され、それらに対しあの飯間浩明さんまで登場。

飯間さんは、「辞書の表現には幅がある。法律の条文じゃないので」と、辞書に言葉の定義を求めることの違和感を指摘した。

議論の全体像はよくわからないけれど、この飯間さんの辞書に関する解説は勉強になった。
ちょうどいい。こんな本を読んでおこう。

そして「辞書に書いてありますか!?」は大人のケンカの文言としてはかなりみっともないので、万が一そう言いたくなったら全力で自制したい。


映画『ELLE』(C)2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINEMA – ENTRE CHIEN ET LOUP

この本のほか、現在読んでいる本と近日中に読む本について。

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 加藤陽子
中高生(栄光学園 めっちゃ東大に進学する名門校)に対して行った5日間の集中講義の書籍化。明治以来、なぜ日本は戦争を選んだのか、を解説。大人も必読の1冊。

『エル ELLE』 フィリップ・ジャン
イザベルユペール主演で映画化された『ELLE』の原作小説。
映画では不可解でしかなかった主人公の心が1人称で綴られている。Twitterでコルレ尾根さん(@Tori_Corleone)おすすめの1冊。

『ドイツ映画史の基礎概念』 古川裕朗
2000年以降のドイツ映画のメディア論的考察。『グッバイ、レーニン!』『善き人のためのソナタ』ほか見たことのある映画も多く内容も充実。

『僕はこんな日常や感情でできています』 阿部嘉昭
サブカル評論家のmixiの日記の書籍化(2007年出版)
堅苦しい批評ではなく、映画や本、音楽などのサブカルについて日常語で書かれた日記が読みたい。この本はそういう意図のものだけれど、少々批評的でカタい文章。よみづらい。

『ゴダール革命』 蓮實重彦
重鎮、蓮實重彦氏によるジャン・リュック・ゴダール論集。
追悼(2022年9月13日没)の意もあってゴダール作品を視聴しているけれど、やっぱり苦手なゴダール。そのガイドになればと思ったものの、ゴダール以上に苦手な蓮實氏。難解すぎてわからん。

蓮實重彦といい阿部嘉昭といい、評論家の書く文章は難しすぎてわからん。自分がバカに思えてしまう。こんなときにひろゆきみたいなわかりやすい言葉が”刺さった”りするんだろうな。いかんいかん。(敬称略、スイマセン)

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