映画タイトル:天国の口、終わりの楽園。
原題:Y tu mamá también / And your mother, too
製作年:2001年 メキシコ
監督:アルフォンソ・キュアロン
映画『天国の口、終わりの楽園。』は、
人妻とふたりの高校生が伝説の海岸「天国の口」を目指すロードムービーです。
いまや世界で活躍するガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ。母国メキシコを舞台にしたひと夏の経験はあまりにも美しく、そして残酷でー。
キャスト
・ガエル・ガルシア・ベルナル(フリオ・サパタ)
17歳
・ディエゴ・ルナ(テノッチ・イトゥルビデ)
フリオの友人 有力政治家の息子
・マリベル・ベルドゥ(ルイサ・コルテス)
フリオの従兄の妻 ある思いから2人とともに旅に出る
映画『天国の口、終わりの楽園。』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)

高校を卒業したばかりのフリオとテノッチ。それぞれのガールフレンドがヨーロッパにバカンスに出かける間、暇と性欲を持てあまし、酒やマリファナ三昧の日々を過ごしています。
そんなある日、テノッチの親戚の結婚式で魅惑的な年上の女性ルイサと出会う2人。ルイサはテノッチの従兄の妻。
2人はルイサを誘いたいがため、出まかせで伝説のビーチ「天国の口」の話をします。その日は気乗りしないルイサでしたが、その後出張中の夫から浮気したことを告白され、2人ともに「天国の口」へ向かうことに。
車でメキシコを南下する3人。そして本当に存在した「天国の口」でー。
評)人々の心に残るものとはー。美しくて残酷なロードムービー
ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナという人気メキシコ人俳優の出世作。とはいえ、年上の女性が若い2人に性の手ほどきをする映画では……、と長年見る気がしなかった映画です。
が、そんな映画ではありません。いや、そんな映画に見えなくもないのですが、ルイサは性の手ほどき以外の大切なことをこの2人に残していくのです。
あ、残していくー、なんて意味深なことを言ってしまいました。
冒頭から18禁じゃなないのか!?(本作はR-15指定です。DVDではボカシが入ってます)というシーンの連続で、会話も結構なエロバカです。
が、「天国の口」を目指す道中のメキシコの風景は美しいだけじゃなく、人間が避けることのできない「死」の影を映し出していきます。友人であるフリオをテノッチの2人にも経済格差がある。
そうした残酷な現実を淡々を語る神視点のナレーション。
監督は『ゼロ・グラビティ』(2013年)『ROMA/ローマ』 (2018年)ほかハリウッドでも活躍するアルフォンソ・キュアロン。
ラスト数分で最高に切なくなる映画『天国の口、終わりの楽園。』ぜひ。