映画タイトル:悪童日記
原題:A nagy fuzet
製作年:2013年 ドイツ・ハンガリー
監督:ヤーノシュ・サース
映画『悪童日記』は、
アゴタ・クリストフの同名小説の映画化作品です。第二次世界大戦下の小さな田舎町を舞台に、祖母に預けられた双子が生きるために成すこととはー。
(原作のレビューはこちらをどうぞ)
キャスト
・アンドラーシュ・ギーマント
双子
・ラースロー・ギーマント
双子
・ピロシュカ・モルナール
双子の祖母
・ウルリク・トムセン
将校
・ウルリッヒ・マテス
双子の父
映画『悪童日記』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)

第二次世界大戦下、両親と離れ小さな田舎町に疎開した双子の兄弟。そこにはそれまでまったく交流のなかった母方の祖母が暮らしています。
祖母は周囲の人々から魔女と呼ばれ、双子に対しても満足な衣食を与えません。双子は祖母に言いつけられた家事や農作業のほか、自分たちにあらゆる訓練を課します。身体を鍛えること、精神を鍛えること、学習すること、そして日記をつけること。
隣家に身を寄せる将校、目と耳が不自由な母と暮らす無教養な少女、汚れた衣類を洗濯し風呂に入れてくれる司祭館の女性ー。双子は知り合う人々に対し、自分たち独自の正義感によって「救済」と「断罪」を施していきます。
祖母、迎えに来た母、そして音信不通だった父に対してはー。
評)原作のイメージを損なうことなく誠実に作られた映像作品
原作同様、感情を排した双子の目線で淡々と描かれていくストーリ-。映画単体で考えるとかなり説明不足な印象も否めません。地名(原作者の故郷ハンガリーと目されています)も登場人物の名前もない。双子の行動の意図を示す説明的な描写もありません。
が、これは原作の世界を再現したもの。映画的な演出を加えるとそれが崩れてしまう。この映画が「映像化不可能」と言われていた理由はそこにあるのでしょう(もちろん子どもがからむ残虐性という理由もありますが)。
原作を読んでいるのでストーリーがわかっているという点ではさほどの衝撃もなく、双子が思いのほか大人でイケメンだったことや、祖母ともわりとすんなり打ち解けてしまったことに、おや?とは思いましたが、原作のイメージを損なうことなく誠実に作られた映像作品として楽しめる映画です。
◆Amazonプライムでの最新の配信状況はサイトでご確認ください。
Amazonプライム会員に登録