3月13日(日本時間)に発表となる第95回アカデミー賞。混戦と言われる今年、その中から抜け出すのはどの作品か、どの監督か、どのキャストか。
全23部門の予想です。ちなみに昨年は23部門中、18部門の的中(昨年の予想はこちらです)。思い入れの強かった作品賞を外すという悔しさの残る結果でした。今年こそ個人的思い入れを最大限排除してのガチ予想です。
参考にした映画賞は例年通り。昨年、本命と言われた(私の本命でもあった)『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が賞レースの終盤『コーダ あいのうた』の猛追にあい、作品賞の受賞を逃す結果に。
そこから学んだのは”前哨戦最終局の勢いを軽視してはいけない”です。そのことを踏まえて、今年は以下の予想といたしました。
- 各賞の予想
- 作品賞:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
- 監督賞:スティーヴン・スピルバーグ 『フェイブルマン』
- 主演男優賞:ブレンダン・フレイザー 『ホエール』
- 主演女優賞:ケイト・ブランシェット 『ター』
- 助演男優賞:キー・ホイ・クアン 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
- 助演女優賞:ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』
- 長編アニメーション賞 :『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
- 短編アニメーション賞: 『My Year of Dicks』
- 脚本賞:マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
- 脚色賞:『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
- 国際長編映画賞:『西部戦線異状なし』
- 視覚効果賞:『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
- 衣装デザイン賞:『エルヴィス』
- 長編ドキュメンタリー賞:『オール・ザ・ビューティー・アンド・ブラッドシェッド』
- 短編ドキュメンタリー賞:『マーサ・ミッチェル~誰も信じなかった告発』
- 主題歌賞:ラーフル・シプリガンジ カーラ・バイラヴァ 『RRR』
- 作曲賞:『バビロン』
- 撮影賞:『西部戦線異状なし』
- 編集賞:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
- 音響賞:『トップガン マーヴェリック』
- 美術賞:『バビロン』
- メイクアップ&ヘアスタイリング賞:『エルヴィス』
- 短編実写映画賞:『無垢の瞳』
- まとめ
各賞の予想
作品賞:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

今年の中心はこの映画です。最多10部門11候補でのノミネート。やはりここは本命で間違いないでしょう。
マルチバースをテーマにした奇想天外なコメディ・アクションという作風はアカデミー賞的ではないと思われますが、何せ前哨戦の勢いが凄い!特に今年に入ってからの上昇機運を軽視することはできません。
日本公開以後、私の周囲ではあまりいい評価は耳にしませんが、アカデミー賞への影響はないかと。
対抗は、スピルバーグ監督の自伝的映画『フェイブルマンズ』
こちらは逆に日本公開後の評価も良く、王道のアカデミー賞らしい作品です。
監督賞:スティーヴン・スピルバーグ 『フェイブルマン』

監督賞は『フェイブルマンズ』のスティーヴン・スピルバーグ。
対抗は『エブリシング・ー』のダニエル・クワンとダニエル・シャイナート。
混戦の今年、主要部門の受賞は分かれると予想しました。
主演男優賞:ブレンダン・フレイザー 『ホエール』
主演男優賞はかなり悩みましたが『ホエール』のブレンダン・フレイザーで。放送映画批評家協会賞と全米映画俳優組合賞での受賞を高く評価しました。
対抗は『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレル。
主演女優賞:ケイト・ブランシェット 『ター』
主演女優賞も悩みましたがケイト・ブランシェットで。
対抗は『エブリシング・ー』のミシェル・ヨー。前哨戦の結果も真っ二つに分かれています。
ブランシェットが受賞すれば3度目の受賞(過去主演、助演各1回受賞)。
ヨーが受賞すれば、アジア人女性初の主演賞の受賞。
この一騎打ちを制するのはどちらか。楽しみです。
助演男優賞:キー・ホイ・クアン 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
助演男優賞は本命で間違いなしのキー・ホイ・クアン『エブリシング・ー』です。
助演女優賞:ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』
助演女優賞は大混戦です。私の予想は『イニシェリン島の精霊』のケリー・コンドン。
対抗は『ブラック・パンサー』のアンジェラ・バセット。
作品の評価が高いほうと若干の自分の好み込みで検討しました。
長編アニメーション賞 :『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
長編アニメーション賞は前哨戦も強くネームバリューもある『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』で。
短編アニメーション賞: 『My Year of Dicks』
例によって薄情報ですが、女性の体験を描いたもの、ということでこちらを。
脚本賞:マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
本来だったら作品賞や監督賞もこれを推したいところですが、なにせ『エブリシング・ー』の勢いがー。ぜひここはという願いもこめて脚本賞は『イニシェリン島の精霊』で。
脚色賞:『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
脚色賞は2018年の同名小説をサラ・ポーリー監督が映画化した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』で。 女性たちの力の結集というテーマやフランシス・マクドーマンドが製作に携わったという話題性も充分。
対抗は、1931年のハリウッド映画をドイツでリメイクした『西部戦線異状なし』か。
国際長編映画賞:『西部戦線異状なし』

その『西部戦線異状なし』は国際長編映画賞での受賞を予想。
視覚効果賞:『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
作品賞にもノミネートされている本作ですが、ここを獲らずにどこを?ということで視覚効果賞は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』です。
衣装デザイン賞:『エルヴィス』
衣装は良かったのよ、この映画。ということで衣装デザイン賞は『エルヴィス』
長編ドキュメンタリー賞:『オール・ザ・ビューティー・アンド・ブラッドシェッド』
アメリカ人社会派女性写真家ナン・ゴールディンを描く本作。
対抗は『ナワリヌイ』
巨大な利権の告発(『オール・ザ・ー』)とロシア、プーチンとの闘い(『ナワリヌイ』)注目です。
短編ドキュメンタリー賞:『マーサ・ミッチェル~誰も信じなかった告発』
ウォーターゲート事件がらみとなると軽視したくない!
主題歌賞:ラーフル・シプリガンジ カーラ・バイラヴァ 『RRR』

大ヒットインド映画『RRR』のナートゥ・ナートゥです。これが獲らなかったら今年のアカデミー賞は去年とは別の修羅場になりますって! なお、授賞式でのパフォーマンスが予定されているもよう。楽しみです。
作曲賞:『バビロン』
作品自体は酷評されていますが、音楽の評価は高い、ということで作曲賞は『バビロン』
撮影賞:『西部戦線異状なし』
撮影賞は『西部戦線異状なし』で。前哨戦の評価も高い。
編集賞:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
編集の力なくしてはー、の作風。ここも高評価の『エブリシング・-』。
音響賞:『トップガン マーヴェリック』

あった、あった。どこにこの映画をねじ込もうかと思っていました、ココです。音響賞は『トップガン マーヴェリック』
美術賞:『バビロン』
作品の評価はアレですが、美術部門での評価は高いこの映画で。
メイクアップ&ヘアスタイリング賞:『エルヴィス』
メイクも良かったのよ、ということで「衣装デザイン賞」と抱き合わせで『エルヴィス』
短編実写映画賞:『無垢の瞳』
戦時中のカトリック系女子校を舞台にしたこの映画に。
まとめ
というわけで、めちゃくちゃ割れました。
コロナ禍を乗り越えた今、世界は新しいものを求めている気がします。映画界にもその風が吹けばー。
今年はどうか穏やかで楽しい授賞式でありますように。
終了後は答え合わせとベストドレッサー選びまで、たっぷり楽しみましょう。
◆授賞式は3月13日(日本時間)WOWOW独占放送です。