2019年4月の「まんざらでもないまとめ」

月刊まんざらでもないまとめ
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2019年4月。今月末に「平成」が終わり、「令和」が始まります。

個人的にはこれといって変化のない毎日ですが、改元にザワつく世の中から「まんざらでもないこと」を拾い集めておきましょう。

上野千鶴子氏、東京大学の入学式スピーチが話題に(4月12日)

東京大学の入学式での、上野千鶴子名誉教授の祝辞が注目を浴びた。

特にこの部分、

「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」

が東大生以外の人々にも響いたのだ。東大生全体への選民意識への警告かと思いきや、学内や社会にいまだにある男女差別や「頑張っても報われない」社会という現実を突き付けるもので、これがお祝いの席の「祝辞」としてどうよ、という反応もあったという。

この祝辞でハッとしたのは、学生よりも親のほうじゃないかと思うんですよね。
ま、私は人の親ではないので勝手なことを言うだけなのですが、人として、大人として学ぶことは「受験競争」だけでまかなえるものではないわけで、そのことをこの祝辞を聞いて何かしら考えていただけたらな、と。

上野千鶴子氏といえば、朝日新聞の土曜日版でお悩みコーナー「悩みのるつぼ」を担当しています。(上野氏のほか、美輪明宏氏、姜尚中氏、岡田斗司夫氏らが担当 *2019年時点)
「そんな見方があるんだ!」と驚いたり、「痛いとこツクね」とニヤニヤしたりしてしまう回答はさすがです。

それを書籍化したものがこちらです。

大学生に向けた祝辞話題となったといえば、こちらも。

西野亮廣氏(キンコン西野)の近大卒業式での祝辞(全文は西野氏のブログにあるのでそちらを参考に)。世間をザワつかせたのは終いの「時計の針」の部分です。

11時台は短針と長針が重ならない。短針と長針が重なったときに鐘がなるから、その前の(針が重ならない)報われない時間も頑張れ。僕は少し先で待っています

全文を読んでも意味がよくわかりませんが、ここまで胡散臭くて、しかも人を惹きつけるって、スゴイ才能ですよ。

ノートルダム寺院大火災(4月15日)

フランス、パリのシンボルのひとつノートルダム寺院が火災に見舞われ、一部が消失した。
日本時間の朝のニュースでは、まだ燃え盛る大聖堂と、それを見つめて呆然とするパリの人々を映し出していた。

13世紀に完成したノートルダム寺院は、パリを舞台にした映画や小説、漫画にも数多く登場しています。ヴィクトル・ユーゴーの小説を映画化した『ノートルダムのせむし男』(1939年)ディズニーの長編アニメノートルダムの鐘』(1996年)

こうした映画や小説は、建物の再建やパリの人々の心を癒す力になると信じています。


歴史的建造物の火災といえば、日本にもありました。

「金閣寺放火事件」

1950年に金閣寺(鹿苑寺)の見習い僧侶である大学生が放火した事件は、その後三島由紀夫の小説にもなっています。重度の吃音に悩む若者が、世の中に受け入れられないやり場のない気持ちを「火を放つ」という行為に転化させてしまう歪んだ苦悩が痛くてたまらない作品です。

あ、ノートルダムとは全然関係のない方向に進み始めたので、次の話題にー。

失言王、桜田大臣ついに辞任(4月10日)

これまでも数々の失言が話題となっていた桜田大臣がついに辞任に追い込まれた。

決定打となった失言はこちら、

「復興以上に大事なのは、高橋さんだ。よろしくお願いする」

被災地東北で、衆議院議員高橋比奈子氏の応援に駆け付けた桜田大臣だったが、その応援のスピーチの締めで「復興以上にー」という信じられない一言を言ってしまった。

この人たぶん、思っていることと違うことを言ってしまう呪いでもかけられているんでしょう。
100歩譲って、この人にものすごい人徳があって、真面目で責任感も強くて、弱者にも心配りができる人だったとしてもよ、こんなに言語パフォーマンスがダメな人は政治家向きじゃない。口だけはうまくて、中身はクズの政治家もイヤだけど、どっちもどっち。

なんでこんな人を大臣にしたのだろう? 世間の関心と批判がそこに集まるのも無理はない。

今月のまんざらでもないまとめ

歴史は繰り返す。「令和」ブームに浮かれることなく、しっかりと考えて行動できる大人でありたい。

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